対談
佐々木閑先生と対談
十月二十七日に、久しぶりに花園大学に行きました。
午前中学生さんたちに授業をして、午後から佐々木閑先生と対談をさせていただきました。
場所は、花園大学の総長室です。
私は、三年ほど前から花園大学総長を務めています。
たまにしか大学には行きませんが、それでも立派な総長室がございます。
その総長室まで、佐々木先生にお越しいただいて、対談しました。
いつもの対談の通りに、佐々木先生のこれまでの歩みから尋ねました。
たくさんの書籍を出しておられ、私もずいぶんとこれまで佐々木先生の講義を拝聴してきましたが、佐々木先生ご自身のことはあまり存じ上げていませんでした。
もっともご自身であまり語っておられなかったからであります。
浄土真宗のお寺のご子息としてお生まれになり、京都大学で工学を学び、更に仏教学を専攻し、お釈迦様の仏教を学び、それから臨済宗の大学である花園大学にお勤めになるという経歴です。
同じ仏教ではありますが、随分と異なる教えが先生の中でどのように一個の人格として統合されているのか、うかがってみました。
お話をうかがううちに、先生の若き日のご苦労も聞くことができました。
今の温厚な先生のからは想像できないような苦労の体験があったのです。
そんな体験を経て、今日の先生があるのだと深く感銘を受けました。
最後には先生ご自身感極まって涙ぐまれて、実に感動の対談となりました。
是非ともご覧いただきたく願います。
横田南嶺