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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.07.17
今日の言葉

理想の僧侶の姿

先日は、長野県松本市にある神宮寺の谷川東顕和尚にお越しいただいて、修行僧たちに講義をしていただきました。

谷川和尚には、昨年円覚寺派の住職研修会でもお話いただきました。

修行道場には、今年も若い人たちが入ってきてくれていますので、是非とも聞かせておきたいと思ったからであります。

二時間ほどたっぷりお話くださいました。

谷川和尚は、三十六歳であります。

思えば十年前ほどからのご縁であります。

とあるお寺で、和尚さんたちの研修会があって、そこに私が講師として招かれて、その時に聴講されていたのが谷川和尚でした。

まだその当時は、修行道場を出て間もない頃だったと思います。

神宮寺の跡取りだとうかがって、その頃から気にかけていました。

神宮寺の高橋卓志和尚のことは存じ上げていましたので、そのあとを引き継がれるというのは、たいへんなご苦労だろうと思っていたのでした。

その後も、小人数で和尚さんたちの勉強会をすると、よく参加してくれていたのでした。

神宮寺にはじめてお伺いしたのは、今から七年前に信濃中央仏教会の講演会を松本市で開催された時でありました。

その頃は、まだ高橋和尚がご住職であり、谷川和尚は副住職でいらっしゃいました。

高橋和尚から丁寧に神宮寺の説明をしていただいたのでした。

高橋和尚の先代の高橋勇音和尚という方は、松原泰道先生ととても昵懇な間柄で、松原先生は、神宮寺にはよく法話に行かれていました。

神宮寺での法話が書籍になったものもあるほどです。

そんなご縁のあるお寺ですので、私にとっては聖地のようなお寺であります。

素晴らしいご本堂で、私もいつの日にか、こんなお寺で法話ができたらなと、心ひそかに思ったのでした。

しかし、その頃は、とてもとてもそんなことはかなわぬ夢だろうと思っていました。

その後、谷川和尚は、実際の実務をほぼすべて任されるようになってゆきました。

接していてもだんだんと変わってくるのが分りました。

もともと、あの高橋和尚がご自身の後継者に選んだ方ですので、並大抵の人物でないことは当然なのであります。

私もお若いけれどもたいしたものだと思うようになってゆきました。

昨年の秋には、晋山式が盛大に行われたのでした。

その時の様子も管長日記に書いたことがあります。

「後生畏るべし」の思いを強くするようになってきて、昨年には住職研修会で講演をしてもらったのでした。

谷川和尚は、修行僧たちの為に、60枚ものスライドを用意してお話くださいました。

「神宮寺の紹介~理想の僧侶の姿~」と題して話してくださったのでした。

はじめに理想の僧侶とはどんなものですかと問われました。

神宮寺の活動については以前にも紹介したことがあります。

寺にはアバロホールという立派なホールがあって、そこで尋常浅間学校として、永六輔さんや無着成恭さんたちと毎月講演会などを開いていたのでした。

それからケアタウン浅間温泉というNPO法人もあって、高齢者のケアにも力を入れておられます。

それにお寺のあり方を大きく改革され、会計報告書を開示したり、寺報を作って情報を公開したり、葬儀にしても一軒一軒の葬儀を丁寧に、費用も明示して納得のゆく葬儀を行うようになされたりしています。

特に葬儀に力を入れておられることには感服するのです。

「葬式仏教」と揶揄されることもある日本の仏教ですが、葬儀は大切なものであります。

神宮寺では、葬儀社を頼まずにお寺ですべてのことをなさっているから驚くのであります。

ご遺体を預かって納棺することなどもなされています。

だいたいのお寺では、納棺が終わって通夜から和尚がお参りすることがほとんどであります。

今回は、谷川和尚はわざわざ棺桶を持ってきてくださり、皆で入らせてもらいました。

私も是非一度入ってみたいと思っていましたので、真っ先に入ってわらじや傘などつけてもらったのでした。

ひとつひとつ手作りの葬儀なのであります。

それから何と言っても感動するのは、故人をしのぶビデオであります。

お一人お一人、遺族の方に話を聞いて谷川和尚がご自身で作られるのであります。

今回もお二方のビデオを拝見させてもらいましたが、私などは赤の他人なのですが、それでも涙を誘われます。

ご遺族がご覧になったらどれほど感動されるか察するにあまりあります。

それから寺報がまた素晴らしいのであります。

よくこれだけの寺報をお作りになると感服します。

谷川和尚が、この寺報を作る為に文章を書いて勉強するようになったと話して下さっていました。

その寺報を地元では一軒一軒配って廻られるというのであります。

これもまた尊いことであります。

思えばかなうというのか、一昨年九月に神宮寺で法話をさせてもらいました。

あの松原先生が法話なさったところで話ができるという感動は言葉にならないものであります。

一昨年というとまだコロナ禍であり、本堂はかなりの人数制限をして行ったのでした。

延命十句観音和讃を通じて法話をするという初めての試みをしてみたのでした。

これは今でもYouTubeで聴くことができます。

かくして昨年は晋山式にお伺いして、今年はまた十月に法話に参るのであります。

なんとも有り難いご縁なのであります。

それから春と夏にはアバロホールで盛大な法要を行っておられます。

夏の法要なども大勢の方にお参りいただこうと、二日間三回にわたって行うというのですから頭が下がります。

とにかく、お檀家や信者の方、お参り下さる方のことを親身に思っておられるのであります。

それ故に、いま寺離れなどと言われる中で、信者さんを増やされているのであります。

今回も谷川和尚の熱意あふれるお話をうかがっていて、理想の僧侶の姿というのは、この谷川和尚のような方だなとつくづく思ったのでした。

 
横田南嶺

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