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臨済宗大本山 円覚寺

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2026.07.14
今日の言葉

『ようこそお寺へ』

須磨寺の小池陽人さんから、新刊本を送っていただきました。

かねてより新著の出版に取り組んでおられると聞いていました。

本の題名が『ようこそお寺へ』です。

「心にひびく仏教のはなし」と表紙に書かれています。

またオビには、「日々の生活の「重荷」をおろしありのままの自分に還る」と書かれています。

「チャンネル登録者数十万人超 人気YouTube「須磨寺 小池陽人の随想録」よりすぐりの法話が一冊に」

とも書かれています。

カバーの装丁も素晴らしいものです。

糞掃衣をまとっている小池さんが、人のみならず動物たちに向かってお説法なさっている様子が描かれています。

また更に「お寺は「サードプレイス(第三の場所)」でありたいと思っています。ファーストプレイス(第一の場所)が自宅。セカンドプレイス(第二の場所)は職場や学校。(…)この二つの場は、「役割を生きる場」だと思います。(…)役割を求められるのは当然ですが、役割をおろせる場所も必要です。ありのままの命に還れる場所。それが、これからのお寺が担うサードプレイスとしての役割ではないかと思っています。「はじめに」より」

ともオビに書かれています。

小池さんのこの出版への思いが伝わってきます。

本を作るにしても、法話を作るにしても難しいのが構成であります。

どんな構成にするのか、私などももっとも気をつかうものです。

本書は三つの章に分かれています。

三部構成です。

これがまた簡潔で仏教の大事な要点を見事に押さえています。

まずこれを拝見して、さすがだと感じいりました。

第一章が「いま」を生きるための仏教のはなし。

第二章が、「ここ」から始まるご縁のはなし。

第三章が、「わたし」が変わる修行のはなし。

となっています。

今を生きる、

ここから始まる

わたしが変わる

と仏教の要点を見事に言い表しています。

さすがと思いつつ、パラパラとページをめくっていくと、私の名前も見えました。

初めてお目にかかった頃のことを書いてくれています。

思えば二〇二〇年に小池さんにお目にかったのでした。

須磨寺におうかがいしたのは、その年の十二月でした。

京都で大学の授業を終えたあと須磨寺におうかがいしたのでした。

その折に小池さんに、私が坂村真民先生の詩を紹介させてもらったのでした。

「あとから来る者のために」という章になっています。

真民先生の

あとから来る者のために
あとから来る者のために
田畑を耕し
種を用意しておくのだ
山を
川を
海を
きれいにしておくのだ
ああ
あとから来る者のために
苦労をし
我慢をし
みなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
みなそれぞれ自分にできる
なにかをしてゆくのだ

の詩を引用してくださっています。

小池さんの本に真民先生の詩が載って、多くの方に触れてもらえるのも有り難いことです。

贈呈いただいた本には、「自他一如」と小池さんが揮毫してくださっていました。

本書には「自分と相手を分けない」という章があります。

そこには四無量心について書いてくださっています。

分かりやすく説いてくださっているので、引用させてもらいます。

四無量心は、慈悲喜捨の四つの心です。

小池さんは「「慈」とは、あらゆる命あるものに楽(喜び)を与えること。

「悲」とは、相手の苦しみを除くこと。

「喜」とは、人の喜びを自分の喜びとすること。嫉妬心を除くこと。

「捨」とは、平静で平等な心、好き嫌いによって差別せず、どのような相手にも同じように接する心のことです。

無量とは、この心を向ける対象を限定することなく、自分を含めた生きとし生けるものすべてをその対象とすることを意味します。」

と解説してくださっています。

そして小池さんは「私は、お勤めの時に、必ずこの心を観想するようにしています。仏様の前に座し、四無量心を観想することで、自分が囚われているこだわりや偏りに気づかされることが度々あります。お勤めの時には、自分と相手(世界)を分けない心のあり方が見えてくるのです。」と書かれています。

仏教の教えを説いて、更にそれを自分自身に受けとめて謙虚に道を求めておられるのが、小池さんの法話の魅力です。

仏教の大事な教えを分かりやすく、さまざまな日常の出来事とともに説いてくださっていますので、楽しく読んでいるうちに仏教の大切な教えが、心にしみこんできます。

私も小池さんの法話の動画はかなり拝見しているつもりですが、こうして文字になって読んでいると、また一層深く味わうことができます。

多くの方に読んでもらいたい一冊であります。

 
横田南嶺

『ようこそお寺へ』

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