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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.03.14
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逸話の魅力

龍雲寺様の法要を務めて、京都に参りました。

昨年の夏より禅文化研究所の所長を務めていますので、研究所の仕事であります。

今回は理事会も開催されますので、その前に運営委員会を行い、それから理事会に臨みました。

幸い令和六年度の予算案については、理事会での承認をいただいてホッとしました。

平成二十四年から理事を務めていますので、今までも何回も理事会に出ていましたが、今度は運営側でありますので、気を遣うものであります。

禅文化研究所のとりくんでいる事業の中に、「デジタルアーカイブス」というのがあります。

研究所のホームページには、

「当研究所では、学術・精神文化に貢献するため、貴重な書画・古典籍・古文書などの文化財のデジタル化とインターネット上での公開に取り組んでいます。

臨済宗・黄檗宗寺院のうち、文化財のデジタル化を希望される寺院に出向くなど、調査・撮影を行い、デジタルコンテンツの作成・整備をしています。

また、それらのアーカイブを構築することで、多様な学術研究を支えるための基盤作りを目指します。」

というものであります。

禅文化研究所のホームページから、禅文化財COLLECTIONサイトを閲覧できるようになっています。

そこにはただいま禅文化研究所と、研究所理事長の平林寺(埼玉県新座市)様の作品 304 件を公開しています。

書画の画像と、書かれている文字や落款や讃についても分かるようになっているものです。

まだまだこのことが知られていないので、昨年からYouTubeで紹介するようにしています。

主に近世の素晴らしい禅僧の書画が紹介されているのです。

絵がある方がいいだろうと思って、今のところ、画と讃について解説した動画を、三本ほど配信しています。

成道会にちなんで出山像、それからお正月にちなんで達磨大師の画、そして先日公開されたのが六祖禅師の画讃であります。

達磨様の絵も六祖禅師の絵も共に、人物が描かれていないという不思議な画なのです。

特に先日公開した六祖留守模様という画などは、石の碓だけが書かれているもので、それで六祖禅師を表しています。

白隠禅師のお弟子の東嶺禅師がお書きになったものです。

画だけを見るとなんとも不思議な画なのですが、そこに深い意味がこめられています。

また讃には、東嶺禅師は「六祖大師、昼食之留主」と書かれています。

六祖禅師はお昼ご飯のためにお留守だというのであります。

この讃を書かれている意味を読み解くだけでも一時間くらいかけてする話があるのですが、それを十五分ほどにまとめて話をしています。

また禅文化研究所のYouTubeではコメントも書くことができますので、この画を見て「米をつく」ということも理解できますというお言葉もいただいています。

禅画の世界というのも深いものがあります。

理事会、運営委員会に出て、更に研究所でまた新たなYouTubeも撮影してきました。
次回の墨蹟紹介は、蜆子和尚の画であります。

蜆子和尚というのは、唐代の禅僧で生没年もわからないのですが、洞山良价和尚の法嗣の方です。

洞山禅師は、八〇七年に生まれ八六九年にお亡くなりになっていますので、蜆子和尚も九世紀の方であります。

景徳伝灯録の巻十七にも伝記が少し載っています。

禅の世界には、伝統を継承してゆくような立派な祖師ばかりでなく、別段大きな寺に住する訳でもなく、大勢の弟子を指導するわけでもなく、飄々とご自身の自由な境界で過ごされた方もいらっしゃいます。

こういう方がいらっしゃることも禅門の尊いところでもあります。

またこういう方も伝灯録に載せてあることもまた実に尊く存じます。

伝灯録を見ても蜆子和尚は、どこの人かも分からないのです。

住んでいたところも一定ではないと書かれています。

ただし洞山良价禅師について印せられてよりとありまして、洞山から印証といって悟りのお許しをいただいてから川の畔で、俗に混ずとありますから、坊さんではなくて世間の人に交じって暮らしていました。

「道具を蓄えず。律儀に循がわず。常日江岸に沿って蝦蜆を採綴し以て腹に充つ。」

なんの道具も持たずに、坊さんとしての規律にも従わずに、自由気ままにいつも川岸にいて、蜆や蝦を取っておなかを満たしていたようです。

画に描かれているのも、蜆子和尚がエビをすくって捕まえているところなのです。

自分で食べるものを取って自分で食べるというのですから、人間というか生き物としては一番自然の生き方です。

動物は皆自分の食べ物を自分で取って食べて後はのんびりしています。

それが自然と言えば一番自然です。

日が暮れると東山の白馬廟といってどこかの廟所の中で紙銭の中で寝ていたと言います。

紙銭というのは「死人を葬るときに、棺の中に入れる、銭形に切った紙。六道銭」のことです。

村の人たちは蜆を採っている和尚という意味で蜆子和尚と呼んでいたようなのです。

この蜆子和尚の絵を物先禅師が描いて、讃を円覚寺の清蔭和尚が書いているという珍しい一幅であります。

これから編集して配信されることと思います。

また、こんな禅僧の逸話を学ぶのも楽しいものです。

先日は禅文化研究所の書籍紹介で『心にとどく禅のはなし』を取り上げ撮影してきました。

研究所から『盤珪禅師逸話選』『仙厓和尚逸話選』『沢庵和尚逸話選』『良寛和尚逸話選』『隠元禅師逸話選』『白隠門下逸話選』『乞食桃水逸話選』などの禅僧逸話選シリーズがあります。

その中から選りすぐりの逸話を集めて一冊にした本であります。

禅僧の語録を学ぶのも大事ですが、禅僧の逸話からも学ぶものが多いものです。

 
横田南嶺

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