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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.09.08
今日の言葉

祈りの寺

先日は神戸の須磨寺で三者三様の法話というのを行ってきました。

東京世田谷の龍雲寺の細川晋輔さんと須磨寺の小池陽人さんと私と三人で法話を行ったのでした。

これは昨年十二月に円覚寺で行ったのでした。

これが好評だったので、今年は神戸の須磨寺で行ったのでした。

法話の前日に出かけて、宝塚にある清荒神様にお参りさせてもらいました。

清荒神清澄寺というのが正式の名前であります。

真言三宝宗の本山であります。

お寺でいただいたパンフレットには次のように書かれています。

「清荒神清澄寺は、創建1100余年の真言宗の大本山です。

人々の暮らしに欠かせない火は万物を浄化する神聖なものとして、古来より尊ばれてきました。

火を扱う、 かまど(台所)は家庭・会社の中心でかまど(台所)が賑わえば、 家庭・会社が繁栄するといわれています。

荒神信仰は家内安全、商売繁昌、 厄除開運などの現世利益をもたらします。

ようこそお詣りください。

また、山内には鉄斎美術館、 史料館があり、宗教と美術を一体とした心の安らぎを与えています。」

と書かれています。

寛平八年八九六年の創建であります。

趣のある長い参道を経て、山門にいたり、まず天堂という拝殿にお参りしました。

ここには、三宝荒神王、大聖歓喜天(聖天)、十一面観世音菩薩他、福徳を授ける諸神諸仏が祀られています。

三宝荒神さまというのは、『広辞苑』には、

「仏・法・僧の三宝を守護するという神。宝冠を戴き三面六臂、怒りの相を示す。近世には、竈の神、火除けの神として祀る。」と書かれています。

また岩波書店の『仏教辞典』には、

「略して<荒神>とも。

民家の代表的な屋内神で、火の神、竈(かまど)神として祀られる。

激しく祟(たた)りやすい性格をもつ一方、火伏せの霊験があるとされる。」

と書かれています。

天堂のそばにはたくさんの火箸がございました。

これは何かとお寺の方にうかがうと、「かまどの神様」として信仰される三宝荒神さまですから、厄年の人が火箸で厄をつまみ出してもらうとされているそうで、厄年にお祀りしていたその厄除けの火箸を、厄が明けた年の節分以降に納める所なのだそうです。

たくさんの真鍮の火箸が納められていました。

天堂では、毎日管長さまが三座ご祈祷をなさっているそうなのであります。

管長さまが法務によってお出かけなさる日には、自ら、その間のお勤めを前日または数日前から行って、「拝み越し」を修されるそうで、このご祈祷は一日も途切れることはないそうです。

実に尊いことだと手を合わせました。

お祀りされている歓喜天というのは聖天さまとも呼ばれます。

歓喜自在天とか大聖歓喜天とも言います。

『仏教辞典』には「インドで大自在天の子として父の軍隊を統轄するガネーシャにあたり、またもろもろの事業の障害をなすビナーヤカ神ともいわれる。

密教では大日如来の眷属として両界曼荼羅の天部に位置し、儀軌により多くの尊形がある。」

と解説されています。

この天堂にお参りすると、尊い祈りの場であることが感じられました。

こういう場で手を合わせていると、それだけで心が清められるものを感じます。

ここの管長さまが毎日欠かさず三座もお祈りを捧げておられるからだと感じました。

天堂の奥には護法堂があり、その後ろに荒神さまが降り立ったと伝えられる荒神影向の榊というのがございました。

さらには、眼神祠があって、ここでは霊水が湧いて、この水で眼の悪い人が眼を洗って病を治したというのであります。

境内の一番高い所には、お稲荷さまがお祀りされていました。

そうして本堂におまいりさせてもらいました。

本尊さまは重要文化財にも指定されているという大日如来さまであります。

ここで小池さんと細川さんとご一緒に般若心経をおとなえしておまいりしました。

この本堂でも毎日管長さまがご祈祷をなさっているとのことであります。

この清荒神さまにお参りしたのは、小池陽人さんがこのお寺で二年間御修行されていたからであります。

以前から一度お参りしてみたいと思いながら、コロナ禍の間はなかなかお参りできませんでした。

今回ようやく念願かなってお参りさせてもらいました。

千年以上続く祈りの場にお参りすることはとても有り難いことであります。

また小池さんのおかげで、毎日のご祈祷でお忙しい管長さまにもご挨拶させてもらいました。

またお寺の方々には心のこもったおもてなしを賜り恐縮しました。

境内には鉄斎美術館があります。

うかがうと、このお寺の第三十七世法主光浄和上が半世紀以上にわたって富岡鉄斎の作品を蒐集されてきたそうで、第三十八世法主光聰和上が昭和五十年に開館されたものだそうです。

残念ながら今は休館ということでしたが、すばらしい画の数点を拝見させてもらうことができました。

とりわけ細川さんと私が来るからということで、鉄斎の十牛図を出してくださっていました。

一枚の画に十牛図を表わした珍しいものであり、有り難く拝見させてもらいました。

清荒神清澄寺さま、その名の通り、清澄な気に満ちるお寺でした。

かくして祈りの寺、清荒神さまにお参りして心も清められてきたのでした。

 
横田南嶺

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