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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.08.14
今日の言葉

仙骨の運動

堀澤祖門先生からいただいた歌集に、こんな和歌がありました。

登るとき腰推し出して足出せばおのずと身体前に出でゆく

というものです。

腰を押し出すというところが要点なのでしょう。

これは堀澤先生から教わった仙骨であります。

仙骨運動というのは、この腰を押し出す運動でもあります。

仙骨とは腰の中央、背骨の一番下に在る三角形の形をした骨のことをいいます。

この仙骨の上に、腰椎が五個、胸椎が十二個、頚椎が七個、そして頭蓋骨が乗っかっています。

脊椎の一番下に、尾骨があります。

尾てい骨とも呼ばれていました。

動物であれば尻尾にあたるところです。

その尾骨の上に逆三角形になっている部分が仙骨です。

堀澤先生に教わったのは、まず尾骨に人差し指の先端を当てます。

親指と人差し指を自然な状態で開いた間隔で、親指の当たるところを、仙骨点と呼んでいました。

その仙骨点に両手の親指を当てて、自然に前の方へ押し出すと、ぐっと腰が入った状態となるのです。

腰を押し出した状態であります。

それから、柔らかく元に戻します。

そしてまた仙骨点に親指を当てて押し出します。

この仙骨点を前後に動かすことを、堀澤先生は仙骨の前後運動と言っていました。

仙骨点のちょうど前方の下腹の部分が、丹田であります。

仙骨点を前方に押し出したとき下腹に自然に力が入ります。

丹田の充実を感じることができます。

仙骨点の前後運動は結果として丹田を強化することになるというのが堀澤先生の説であります。

堀澤先生は、この仙骨運動を繰り返すことによって、背骨が真っ直ぐになって、重心が低くなると仰っていました。

また、脊髄神経や脳神経にもその波及効果が働いて、これら全体を活性化することになるというのです。

これを日常的に行うことによって、若返りや高齢者の健康増進に顕著な効果が期待できます。

そこで堀澤先生は、瞑想中に仙骨を軽くリズミカルに押し出しながら瞑想することも可能だというのです。

これが、私が堀澤先生に初めてお目にかかった時に教わった、坐禅している時は、止っているように見えるけれども仙骨の微細な運動があるということなのです。

この動きをできるだけ微細にしてゆくと、外からは、動いているようには見えなくなります。

堀澤先生は、初心の者には立ったままで行うことを推奨していました。

たしかに立って行うのが一番やりやすいものです。

いつでも、歩きながらでも、歩道で時間待ちしている時でも自然にできるようになります。

体幹を強化することもこの仙骨運動で可能となり、いわゆる病気をしない身体を造ることができるというものです。

この仙骨の前後運動によって仙骨を鮮明に意識することができるようになります。

仙骨を意識することによって、自然な状態で仙骨が立つようになるものです。

イスに坐っても十分にこの仙骨を意識することができます。

この頃、イス坐禅の指導を研究してきて、先日施餓鬼の法要に出て、イスに座ってもとても安定して坐ることができるようになりました。

これは有り難いことだと思いました。

この頃は、お寺の法要もイスで坐ることが多くなってきました。

ところが、このイスで坐るというのは難しいものです。

安定しにくいのであります。

畳の上に直に正坐するか、或いは座布団を敷いて足を組んだ方がはるかに安定します。

しかし、イスでも坐れるはずだと思って研究を重ねてきたのでした。

だいたい、いくつかのポイントがはっきりしてきました。

まずはやはり足です。

足の裏はとても大事です。

足の裏で床を押すことが重要です。

それには足の指が使えないとうまくゆきません。

拇指球、小指球をしっかり意識して、かかとも含めて床を押す感覚が大事なのです。

この感覚が背骨に伝わるのです。

それから仙骨であります。

あまり仙骨を立てようとか、腰を入れようと思うと、力んでしまいがちであります。

そこで仙骨に手を当ててみるか、かすかに前後に動かしてみて、仙骨があることを意識するだけで十分であります。

仙骨の場所を意識するだけで身体全体が調います。

それから太ももの内転であります。

これら三つを意識すれば、まず腰骨が立ち、背筋が自然と伸びるようになります。

それから、手の位置、手の指の形なども重要となってきます。

そうして研究してきた結果は、やはり昔から教えられてきた法界定印という手の組み方は実に優れていることがよく分るようになりました。

そのようにして、研究してきた成果を、都内のイス坐禅の会で実習しています。

先日も施餓鬼の法要の間、イスで坐っていても初めて正坐や結跏趺坐で坐るのと同じような安定感を得ることが出来て感動したのでした。

イス坐禅の指導をしようと思ったことが、研究を重ねて一番自分の為になっていることに驚きました。

ともあれ、このように仙骨を意識することを教わったのも堀澤先生との出会いのおかげなのであります。

立つ時も、歩く時にもこの仙骨を意識できていることが大事であります。

ただあまり仙骨を立てようとか、腰を入れようと意識しすぎると、余計な筋肉を使ってしまって疲労しますので、注意しないといけません。

堀澤先生がリズミカルな運動と言っていますように力まずに行って、仙骨の場所を意識するくらいがいいと思うのであります。

立つ時、歩く時、イスに坐るとき、仙骨を意識できることによって、より安定して無理なく立ち、歩き、坐ることができるようになります。

またイス坐禅の指導の時には、実際に皆さんにお伝えしたいと思っています。

 
横田南嶺

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