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臨済宗大本山 円覚寺

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2023.08.15
今日の言葉

お盆の行事

八月に入ると、円覚寺の山内にある各塔頭寺院で、盂蘭盆の施餓鬼法要が行われています。

私は毎年八月八日の仏日庵様の施餓鬼法要で法話をさせてもらっています。

かつて住職していた黄梅院と仏日庵様とは、法類というお寺のご縁が深いのです。

それで、黄梅院の住職になった頃から法話を務めています。

かれこれ二十年以上になろうかと思います。

ただこの三年の間は、法話を行っていませんでしたので、実に四年ぶりで法話をさせてもらいました。

コロナ禍にあって、法話を省略して、そのまま法話を無しにして、頼まれなくなってしまった寺院もある中で、変わらず法話にお招きいただけることは有り難いことであります。

『広辞苑』に「施餓鬼」とは、

「飢餓に苦しんで災いをなす鬼衆や無縁の亡者の霊に飲食を施す法会。

今日では盂蘭盆会と混同。水陸会。施餓鬼会。」

と解説されています。

ちなみに「盂蘭盆」は

「(梵語ウルランバナ、倒懸と訳され、逆さ吊りの苦しみの意とされるが、異説もある)

盂蘭盆経の目連説話に基づき、祖霊を死後の苦しみの世界から救済するための仏事。

陰暦7月13日~15日を中心に行われ、種々の供物を祖先の霊・新仏・無縁仏(餓鬼仏)に供えて冥福を祈る。

一般には墓参・霊祭(たままつり)を行い、僧侶が棚経にまわる。地方により新暦7月・8月など日が異なる。」

と説かれています。

盂蘭盆は7月の13日から15日なのです。

「施餓鬼」を岩波書店の『仏教辞典』で調べますと、

「餓鬼道にあって苦しむ一切の衆生に食物を施して供養することで、特にその法会をいう。

<施餓鬼会>の略。

<施食会>ともいう。」

と説かれています。

そのあとに、

「中国では不空訳の瑜伽焔口経(ゆがえんくきょう)に阿難が自分が餓鬼になることを免れるために餓鬼に施食し、陀羅尼を誦したと説かれることに基づいて流行した。

期日は特に定まらないが、日本では年中行事の一つとして盂蘭盆会に行われることが多い。」

と解説されています。

ここにありますように、「施餓鬼会」には期日はないのであります。

そして、施餓鬼の由来は、『焔口陀羅尼経』にある阿難尊者の話がもとになっています。

そこでまず整理しますと、盂蘭盆には期日があって、7月の13日から15日で、目連尊者の話がもとになっていて、施餓鬼会には期日がなく、阿難尊者の話がもとになっているのです。

更に『仏教辞典』には、

「盆には家の先祖の精霊を祀るほか、ともに訪れてくる無縁仏や餓鬼のためにも施餓鬼棚(精霊棚)をつくって施しをしなければならなかった。

一般に餓鬼は供養するもののいない無縁仏とか祀るもののない霊魂として観念されたので、御霊(ごりょう)信仰に通じる性格をもつ。

中世には飢饉や戦乱などの折に河原に数万の群衆を集めてたびたび営まれたり、近世に入っては大火の犠牲者の追善のために大寺院で修されたりした。

両国の回向院で営まれた明暦3年(1657)の江戸大火(振袖火事)の際の死者供養などは、その代表例である。

施餓鬼は浄土真宗をのぞく各宗派で行われる。

また禅宗では、生飯(さば)といって食事のたびに飯を数粒施す習慣も施餓鬼の作法だとしているが、これも民間の御霊の一種であるひだる神に対する作法と共通するものがある。」

という丁寧な解説がなされています。

「川施餓鬼」というのもあって、これは『広辞苑』には「溺死者などのために川辺または船中で行う施餓鬼」と説かれているものです。

盂蘭盆経にある目連尊者の話というのは、概略を申しますと、

お釈迦様のお弟子に目連尊者という神通力に長けた方がいました。

目連尊者は若い時にお母さんを亡くされたのですが、そのお母さんが死後どこにいるのだろうと思って神通力を使って探してみたところ、餓鬼道に堕ちて苦しんでいることがわかりました。

それをなんとか救いたいというのでお釈迦様に相談をします。

それは夏場の雨期の頃で、お坊さんたちは精舎で集団生活をしながら修行をしていました。

その修行が明けるのが七月十五日で、そのときに僧侶たちは修行の期間中を振り返って懺悔と反省を行う会を開くのですが、お釈迦様はその機会に供養の場を設けて目連尊者のお母さんや餓鬼道に落ちたご先祖様を救おうと説かれたのでした。

これが盂蘭盆の起源となる説話で、『盂蘭盆経』という経典にまとめられています。

もうひとつの阿難尊者の話というのは、次のような話です。

お釈迦さまの十大弟子で多聞第一と言われ阿難尊者が、静かな場所で坐禅瞑想してました。

すると焔口(えんく)という餓鬼が現れました。

痩せ衰えて喉は細く口から火を吐き、髪は乱れ目は奥で光る醜い餓鬼でした。

その餓鬼が阿難に向って『お前は三日後に死んで、私のように醜い餓鬼に生まれ変わるだろう』と言いました。

驚いた阿難尊者が、どうしたらその苦難を逃れられるかと餓鬼に問いました。

餓鬼は、「明日、数限りない餓鬼および多くの婆羅門や仙人たちに布施を行うのに、一人一人に一石の飲食を与え、さらに私のために三宝に供養するならば、あなたは寿命を延ばすことができ、私にこの餓鬼の苦しみを離れて天上界に生まれさせることができるでしょう」と言いました。

阿難尊者は、お釈迦様にどうしたらよいか相談しました。

お釈迦様は「ただ一器の食物を供えて陀羅尼の経文を一心に唱えて仏の加護を受けることによって、その食べ物は尽きることのない無量の食物となり、それが餓鬼道に落ちたすべての衆生たちと、この世に生きるすべての僧侶たちへの無量の施しとなるのである」と説かれました。

阿難尊者が早速その通りにすると、阿難尊者の生命は延びて救われたのでした。

これが施餓鬼の起源とされています。

この目連尊者の話と阿難尊者の話とが合わさって今日の盂蘭盆の施餓鬼会となっているのであります。

法話のはじめに、コロナ禍となって様々なお祭りや行事が中止になったり延期になったりしました。

不要不急のことは控えましょうという一言によって取りやめになったりしたのでした。

しかし、今またいろんなお祭りや催しものは再開されています。

この年に一度の施餓鬼もそうであります。

コロナ禍の間には、ずいぶん行事を縮小して行われてきたのですが、今回は、かつてのように施餓鬼会を行うことができました。

変わらぬ行事をできることは有り難いことなのであります。

本日八月十五日、お盆です。

それぞれ静かにお盆を迎えたいものであります。

 
横田南嶺

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