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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.04.20
今日の言葉

足で大地を踏みしめて立つ

円覚寺のような大本山の行事は、立って行うことが多いのです。

仏殿という、寺の一番中心となる建物では、畳をしいていませんので、行事の間はずっと立ったままであります。

一時間くらい立ったままということがあります。

立つということは、簡単のようで難しいものです。

畳に坐るという文化は、日本式のものです。

円覚寺でも方丈という建物には畳がしいていますので、そこでの行事は坐ることになります。

仏殿のように立って行うのは、古い中国式のやり方であります。

古来、お説法する僧が椅子に坐り、お説法を聞く方が立ったままだったのです。

そこで、お説法の終わりには「久立珍重」という言葉をかけて終わります。

長い間立っていてご苦労さまという意味です。

今日では、逆になってしまいました。

話をする方が立ったままで聞く方が坐って聞くのであります。

学校の講義などもみなそうであります。

講義をする先生が立っていて、生徒が椅子に坐るのであります。

その方が楽なのかもしれませんが、立って聞くというのも、悪くはないと私は思います。

そうしますと、まず寝られません。

そういう次第で、立っていることが多いので、この立つということについてもずいぶんと自分なりに工夫してきました。

しかし、自己流の工夫というのはどうしても、余計な力が入り過ぎたり、やり過ぎたりしてしまいがちなのです。

足の裏が大地に接して立っているのですが、私などは足の親指に力をいれて立つように指導されてきました。

そして下腹に力をこめるということです。

そうしますと、どうしても腰を前に出して力むような姿勢になっていたと思います。

その結果、やはり長時間立っていると、腰が張ってしまいました。

この立ち方でもいろいろ教わってきて、大きく変わりました。

とりわけ最近、西園美彌先生に教わるようになってからは、しっかりと足で大地を踏みしめて立つ実感が得られるようになりました。

西園先生は、拇指球と小指球とかかとの三点で立つのだと指導してくれています。

拇指球は親指の付け根、小指球は小指の付け根です。

この拇指球と小指球との感覚をどのようにして得られるか、いろんな足指の動かし方、トレーニングを教わったのであります。

このたびもお忙しい西園先生のお越しいただいて、足指のトレーニングを三時間かけて行ってもらったのでした。

この春僧堂に入った者には、初めての経験であります。

私も皆と一緒に講習を受けました。

いつもながら、三時間があっという間に終わってしまうのであります。

また今回も藤田一照さんもお越しいただいて、皆と一緒に学ばれたのには、驚きと感謝であります。

常に学ぼうとされるお姿には大いに啓発されるものであります。

西園先生は、足の指と丹田とがつながっていると説いてくれます。

その通りなので、これは実によくつながっているものです。

白隠禅師が、気海丹田腰脚足心と説かれているように丹田と腰と足と足の裏とがずっとひとつにつながっているのです。

足指のトレーニングをして、拇指球小指球をはっきりと自覚して、さらに丹田のワークを行ってから立つと、修行僧達の立ち姿が見違えるように変わりました。

大地をしっかりと踏みしめて丹田が充実して立っているのです。

とくに丹田のワークは目からうろこが落ちるようなものであります。

私などは、どうしても丹田に力を入れるといって、腹筋に力を入れたり、気合いだけでやっていたところがあります。

西園先生のご指導によって、そのような無駄な力が抜けて、丹田がはっきり意識できるようになりました。

この春道場に入ってきた者の中には、あまり姿勢がよろしくない者もいます。

かつては、そのような修行僧にはただひたすら、腰を立てろ、背筋をのばぜ、気合いをいれろとばかり言ってきました。

しかしそれだけはとても十分ではありません。

体をどのようにしてゆけば、よい姿勢になるのか指導しなければなりません。

西園先生の親切なご指導によって、新しい修行僧も姿勢はよくなっていったのでした。

こういうことが本人にも自信につながってゆくと思います。

藤田一照さんが、今までの修行道場がただやみくも「恐怖と拘束」で無理矢理坐らせていたのではなく、正しく坐り方を指導して、坐ることが楽しくなることが大切だと言われていましたが、まさしくその通りなのです。

自分の体が変わっていくことを感じるの大いなる喜びであり、楽しみなのです。

立つ時は、拇指球小指球とかかとでしっかりと大地を踏みしめて立つ、坐る時は座骨でしっかりと坐る、こういう感覚をしっかりと身につけて欲しいと願います。

また今回、西園先生は、修行僧たちに指導するにあたって修行道場でどういう生活をしているか知りたいという御依頼で、講習の前の一時間ほど、修行道場をご案内しました。

修行僧皆で読経している様子をご覧いただいて、それから一緒に坐禅堂でも坐ってもらいました。

こういうことを学んでから、修行僧に指導されようとなさる西園先生の姿勢には頭が下がります。

西園先生は、今やプロ野球選手やトップアスリートのご指導もなさっていてとてもお忙しいようですが、私たちのためにお時間を作ってくださり、感謝するばかりです。

また毎回のことながら、共に学ぶことの喜びと、修行僧達が少しでもよい方へと変化してゆくことが何よりの楽しみなのであります。

本日より、僧堂は雨安居の入制といって、新しい修行生活が始まるのであります。

 
横田南嶺

足で大地を踏みしめて立つ

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