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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.04.14
今日の言葉

呼吸とは?

先日、ZEN呼吸法主宰、呼吸アドバイザーの椎名由紀先生にお越しいただいて、姿勢と呼吸のご指導をいただきました。

修行道場では三回目となります。

今回は、新しくこの修行道場に入った者も加わりましたので、一から丁寧に教えていただきました。

私も修行僧の皆さんと一緒になって教わりました。

生徒になって学べるということは有り難いことであります。

椎名先生のことは以前にもご紹介したことがあります。

このたびは、『anan』という雑誌にも、椎名先生のZEN呼吸が四ページにわたって掲載されたというのであります。

さて『anan』という雑誌の名前は、私も聞いたことがあります。

これは女性週刊誌、ファッション雑誌だというので、私には全く縁のないものであります。

手にしたこともなければ、これからも手にすることもないでしょう。

それが、このたび椎名先生が、掲載された雑誌ということで一部頂戴致しました。

こういう週刊誌に、呼吸法のことが取り上げられるというのは、有り難いことだと思いました。

このなかには、

「一日に二万回以上しているといわれている呼吸。

しかし、長引くマスク生活やストレスフルな日々で、呼吸が浅くなっている人が続出中。それを改善できれば、身体が内側から活性化し始め、運気はみるみる好転すると、ZEN呼吸法主宰の椎名由紀さん」

と書かれています。

椎名先生は高校生の頃から原因不明の体調不良に悩まされたのでした。

今回もはじめての人が多かったので、そんなご自身の体験を語ってくれました。

頭痛、めまい、吐き気、冷え、便秘、慢性疲労などなどだそうです。

どこの病院にいっても異常なしと言われて原因がわかりません。

一時期には関節が腫れて杖をついて歩かなければならないほどにまでなっていたというのです。

今の椎名先生のお姿からは想像もできません。

それが三十一歳の時に、かの白隠禅師の『夜船閑話』にであって、その中に説かれている呼吸法を実践するとわずか一日でお通じが改善され、二週間実践してみると、不調が改善されたというのであります。

それからこのZEN呼吸を多くに方に伝えようと熱心に活動されているのであります。

『anan』にはわかりやすく、ZEN呼吸の要領を、

「鼻呼吸で長く吐いて、ふんわり吸う』「胸ははらない」「お腹が動くのを感じる」「へそ下は締める」と書かれています。

今回は、椎名先生の自己紹介のあと、まず呼吸とは何か一言で言ってみてくださいという質問から始まりました。

修行僧たちが、一人ずつ答えてゆきました。

呼吸とは「吸って吐くこと」という明解な答えもありました。

逆に「吐いて吸うこと」という答えもありました。

「生きるために必要なもの」という答えや、「体を調えるもの」という答えもありました。

ほかにも「身体に空気を行き渡らせるもの」「自然におこなわれるもの」「生物みんながしているもの」「口と鼻でするもの」「すばらしいもの」「健康状態を表わしているもの」「いつものこと」「生活」「あたりまえにしているもの」「循環の一部」「出入り」などなど、いろんな答えが聞かれました。

ちなみに『広辞苑』で調べてみると、呼吸は

①
㋐生物が外界から酸素を取り入れ、二酸化炭素を外界に放出する現象。特に動物が、そのために行う筋肉運動。息を吸ったり吐いたりすること。外呼吸。

㋑生物の組織や細胞が酸素を取り入れて酸化還元反応を行い、エネルギーを獲得すること。内呼吸。

㋒生物が酸化還元によってエネルギーを獲得する化学反応過程の総称。無気呼吸も含む。

②物事を行う微妙なこつ。調子。要領。

③動作をともにする人と人との間の調子。「呼吸をそろえる」

④きわめて短い時間。「一呼吸の後」

という解説があります。

私も一言で答えました。

「呼吸はいのちです」。

この言葉を聞かれた椎名先生は、かつてこのことを管長日記で話したことがあったと仰いました。

椎名先生は、毎日の私のラジオも聞いてくださっているのであります。

椎名先生は更に呼吸をしているのは誰かと問われました。

自分がしていると思いがちなのですが、自分でいつも意識して吐いたり吸ったりしているわけではありません。

寝ているときでも、呼吸のことなど全く忘れていても呼吸は止まることはありません。

天地大自然のおおいなるはたらきとでも言いましょうか、全く不思議な現象であります。

私が、今ここにいるということですら、頭の上は大宇宙につながり、足はこの地球を踏みしめているのです。

地球は自ら回転しています、どれくらいの速度で回転しているかというと、前回教わったことですが、「時速千三百キロから千七百キロだ」というのです。

新幹線の何倍も早く回っているのです。

さらに太陽のまわりをまわっている公転はというと、なんと秒速二十八キロから三十キロというのです。

それでも平気でいるのは地球の重力のおかげであります。

私が中学生の頃もっとも感銘を受けた椎尾弁匡僧正の 『仏教の要領』にある言葉を思い起こします。

「大自然は無量の条件が和合する上に成立している。

この身も、この心も、わが所得するものではない。

自己の心身は大自然の和合の上に現れている。

茲に至って、真の自然人となり、一切の束縛を脱することが出来る。

既にここにあっては、大自然の総ゆる力に順って活動することができる。

それは自己が動くのでなく、天地の力が動くのである。

この天地の力こそ、進んで止まざる大生命である。

斯かる心境に達するとき、両手はおのずから合掌されて、われは天地の恵みなり、われは天地の生命であるとの躍動が湧く。そこには帰依、合掌、廓然大悟があるのみとなる。」と説かれています。

更に「我が心、我が身体としたものは、我の我とすべきものはなく、身心悉くはこれ天地の大なる顕現であり、宇宙一切が総合関係して感応する作動となる。

自己のものとなる何物もない。

呼吸なければ、一塊の肉団となる。

その呼吸も遙かに草木に通じ、一呼吸も我が発明努力するところの結果ではない。

呼吸は天地の大作用であって、我が呼吸ではない。

かくの如く、飲食も言語も、動作も、思想も、われがよくなし得るところのものではない。

皆すべては、自然社会の総合し育成する因縁和合のものである。

このことに気づいて、釈尊の覚の第一義が開かれたのである。

自然とせる執縛の無明は破れて明星輝き、自我に基づける邪見思惑は除去されて、勇ましき活躍感謝の奉仕を感じたのである。

この慈眼によって現出する世界が、実相の世界であり、一如の世界であり、空の世界である。」というのであります。

呼吸は天地の大作用だというのであります。

こういうことに目覚めれば、自我に基づく邪見は取り除かれます。

自分さえよければという思いは消えるのであります。

おのずから感謝と奉仕の暮らしになってゆくのであります。

椎名先生のお元気で明るいご指導をいただいて、幸せな気持ちで過ごすことができたのでありました。

 
横田南嶺

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