一口法話
【一口法話:第五十二回】お経の力 – 鉛筆写経のすすめ –
お経は、元来お釈迦様の言葉を記したものですから、その内容を理解して修行してゆくためのよすがとなるものでした。
それが、だんだんとお経そのものに、特別な力があると信じられるようになってきました。
たとえば大乗仏教の初期に説かれた『般若経典』では、空の教えが説かれているのですが、経典そのものにも大きな力があるとも説かれています。
お経は、持っているだけでも、読むだけでも、経典に手を合わせるだけでも大きな功徳があると説かれています。
そんな信仰から、お経を写すことにもすばらしい功徳があると説かれるようになったのでした。
もともと印刷技術の無い頃には、お経は書き写すしかなかったのですが、お経を書き写すこと自体に大きな意味を見いだしたのでした。
たしかに静かに墨をすってお経を写すと心が落ち着くものです。
しかし、硯を墨や筆を用意しなくても、いつでもどこでも出来る写経があります。
それが鉛筆写経です。
本格的に、墨をすって書くのが一番ですが、そんな余裕がないとき、どこでもできるものです。
ほんのしばしでも、お経を写していると心が休まるものです。
【鉛筆写経のご案内】
https://www.engakuji.or.jp/news/34783/
横田南嶺