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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.02.25
今日の言葉

丹田の充実

先日舞踊家の西園美彌先生にお越しいただいて、足指のトレーニングを講習してもらいました。

藤田一照さんのご紹介によって、先月に続いて二度目であります。

足の指との丹田とのつながりを詳しく学ぶことができました。

西園先生が、足の指と丹田とがつながっていると講義をされているのを聞いて、是非ともこの方に学んでみたいと思ったのでした。

足の指については、今回も目からうろこの様々なことを学びました。

たとえば足の小指の位置ひとつを工夫することで、体の安定感、力の入り方が大きく変わるのであります。

そして丹田についても学びました。

私なども多年坐禅をしてきて、かなり丹田について深く学んできたつもりなのですが、やはり思い込みがあったり、強く意識しすぎるために不自然な姿勢になっていたりしていることを矯正してもらいました。

とりわけ仰向けになって、丹田を充実させるという方法には、驚きました。

下腹を張り出すのと同時に仙骨で床を押すようにするのです。

私などは、仙骨を前に出すことばかりに意識がとらわれていたことが分かりました。

今までも安定して坐っていたつもりでしたが、これだけの工夫でずっと深く安定して坐れるのであります。

西園先生は、アスリートの方などにも指導されている先生であります。

身体について細かく丁寧に指導してくれました。

正しく立つ、正しく坐るということが如何に容易ではないのか実感しました。

更に研鑽を積まねばと思ったのでした。

今回も藤田一照さんもお越しくださって、私たちと一緒になって学ぶことができました。

一照さんに接すると、改めて一照さんに身体の素晴らしさに驚かされるのであります。

一照さんは、私よりも十歳年上でありますので、私も更に十年研鑽を積んで、とても一照さんには及ばないにしても少しでも近づけるように努力しようと思うのであります。

こんなものでいいと思うと、退化してしまいます。

少しでも向上、一歩半歩でも前進と思って努力していないと、現状維持もできないと痛感しています。

丹田ということで思い起こすのが、岡田虎二郎先生という方であります。

明治五年の生まれで、大正十年にお亡くなりになっています。

四十九歳でした。

静坐法を唱えられた方であります。

白隠禅師の『夜船閑話』を読んで、独自の静坐法を唱えたのでした。

岡田式静坐法は、その当時流行して都内だけでも百カ所以上の静坐会があり、入会していた者は数万人もいたというのであります。

「あえて求むるなかれ。無為の国に静坐せよ。坐するに、方三尺のところあらば、天地の春はこの内にみなぎり、人生の力と、人生の悦楽とはこの中に生ずる。静坐は真に大安楽の門である。」

とは『岡田虎二郎語録』にある言葉です。

岡田虎二郎先生に接して、森信三先生は立腰の教育を唱えられたのでした。

岡田式静坐呼吸法では、

「息を吸う時に腹全体はふくらまず、みぞおちがふくらみ、息を出す時みぞおちを落し乍ら、下腹丹田に力を入れていく」というのです。

「みぞおちの力を抜いて落しながら、息を徐々に出し下腹が大きく固く張り出す位に丹田に力を入れる」のです。

しかも「息は鼻先に兎毛をつけておいても吹飛ばされない位に、静かに長く出す」のです。

「その時いきむのは禁物」ということが大切です。

吸うときには「呼気で入れた下腹部の力を一寸弛める」のです。

「みぞおちがスーッと膨らんで、息は瞬時に入って来る」ようになります。

「入ったら又直ぐみぞおちを落して呼気に移る。此の繰返しが呼吸法」となっています。

息を吐くときには臍下丹田に気を張って、下腹が膨れて堅くなり力が満ちて張り切るようにします。

吸うときには、胸がふくらんで臍下が少しゆるみます。

重要なのは、吐くときも吸うときも重心を常に下腹において充実させることにあります。

腹の力を張ったまま呼吸するのであります。

そして下腹の力は朝目覚めてから夜寝るまでは抜かないようにします。

こういうのが岡田虎二郎先生の唱えた呼吸法であります。

『スタンフォード式疲れない体』という本には、IAP呼吸法というのが説かれています。

腹圧呼吸と訳されます。

この呼吸法はどんなものかというと

「IAP呼吸法とは、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを固くする呼吸法で、お腹周りを固くしたまま息を吐ききるのが特徴です。」と書かれています。

「IAP呼吸法」を実践すると、どのような効果があるかというと、本書には、

「腹圧が高まることで、体の中心(体幹と脊柱)がしっかり安定する

体幹と脊柱が安定すると、正しい姿勢になる

正しい姿勢になると、中枢神経と体の連携がスムーズになる

中枢神経と体の連携がスムーズになると、体が「ベストポジション」(体の各パーツが本来あるべきところにきちんとある状態)になる

体が「ベストポジション」になると、無理な動きがなくなる

無理な動きがなくなると、パフォーマンス・レベルが上がり、疲れやケガも防げる」

という好循環を生み出すというのです。

岡田式の静坐法と似通っていると思って興味深く思ったのでした。

西園先生に教わった丹田の意識の仕方も、横臥して臍下三寸に握りこぶしをおいて、その拳を押し返すように下腹を張って、息を吸う時も吐く時にも押し返すように下腹を張るのです。

それを同時に仙骨で床を押すようにするというのです。

こうすると腹圧が一層高まって充実して、しかも安定するのであります。

そんな体感から、揺るぎない自信が生まれてくるのです。

 
横田南嶺

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