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臨済宗大本山 円覚寺

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2022.01.16
今日の言葉

体に感謝 – 私を生かしてくれる五臓六腑 –

白隠禅師は、幼少の頃から禅の修行に励まれ、二十四歳の頃には高田の英巖寺で大悟され、更に正受庵で正受老人に鍛えられて臨済宗の公案の奥深い真理を悟る事ができました。

しかし、夜船閑話に

「心火逆上し、肺金焦枯して、雙脚氷雪の底に浸すが如く、兩耳溪聲の間を行くが如し。肝膽常に怯弱にして、擧措恐怖多く、心身困倦し、寐寤種々の境界を見る。兩腋常に汗を生じ、兩眼常に涙を帶ぶ。此に於て、遍く明師に投じ、廣く名醫を探ると云へども、百藥寸功なし」

とまで言われる状況になってしまいました。

芳澤勝弘先生の訳によりますと、

「心火が逆上して肺臓をいためた。両脚は氷雪に浸したように冷え、谷川のほとりを行くかのようにいつも耳鳴りがする。肝胆が弱まったためか何をしていてもおどおどし、心神は疲れやすく、寝ても覚めても色々な幻覚が見える。両脇にはいつも汗をかき、眼はつねに涙ぐんでいる。そこであまねく明師を探し尋ねて相談したが治る方法はみつからなかった」

というのであります。

そこで白幽仙人にめぐりあって、内観の法と軟酥の法を授かって、それを実習して健康を取り戻されたのでした。 

内観の法というのは、意識を気海丹田、腰脚足心に集中させるものです。
意識を向けると、そこに自然と気が集まるのです。

そこで、自分のこのお腹こそ、本当の自分だ、このお腹こそ、わがふるさとだ、このお腹こそ、お浄土だという言葉を用いて意識を集中させるのです。

このたび禅文化研究所から発行された『新坐禅のすすめ』のなかで、平林寺の松竹寛山老師がこの内観の法を詳しく親切に解説してくださっています。

松竹老師の、内観の文の意訳を参照させていただきます。

わがこの気海丹田、腰脚足心は本来の自分。
本来の自分はどんなだろう。
わがこの気海丹田、腰脚足心は心のふる里。
心のふる里はどんなだろう。
わがこの気海丹田、腰脚足心は心の安らかな世界。
心の安らかな世界はどんなだろう。
わがこの気海丹田、腰脚足心は阿弥陀さまの世界。
阿弥陀さまの世界はどんなだろう。

というのであります。

こういう意識を用いて、下腹に気を集めて充実させるのです。

すると自然と頭の方はスッキリ爽やかになるものです。

もうひとつ軟酥の法というのがあります。

私たちは、坐禅してもなかなか煩悩妄想がなくなることがありません。

どうせなくならない妄想ならば、その妄想を利用してしまおうと考えられた方法です。

この軟酥の法とは、軟酥という牛乳を精製して作った極上のバターかクリームのようなものを想像して行うのです。

香りも良くてあたたかい素晴らしいクリームが、頭のてっぺんから全身を潤してゆくと想像するのです。

思い煩いや、身体の不調なところなども、全部洗い落とされてゆくと想像します。
どうせなくならぬ思いを巧みに利用して、身心の健康を保とうというものです。

椎名由紀先生は、この軟酥の法を更に独自に工夫されて指導されています。

『芸術新潮』2013年1月号大特集「よみがえるスーパー禅僧白隠」に椎名先生が書かれている文章から引用させてもらいます。

「軟酥の法」の最大の特徴が、体内をイメージすることでありますから、椎名先生の儀指導される方法は、体内の内臓や器官を十七個に分類し、これらの位置や働きを明確にイメージしながら、深い腹式呼吸を行なうというものです。

頭上にお薬バターがあるのをイメージ正しい姿勢で立ち、頭の上にレンガ大のバター状のお薬がのっているイメージをする。お薬バターが「軟酥の法」でいうところの「軟酥」。

呼吸とともに溶けたバターが内臓を温める様子を想像します。

お薬バターが溶け出し、大脳から順にじわりじわりと浸透していく様子を思い描きながら、腹式呼吸を繰り返す。

息を吐きながらバターが大脳をコーティングしている様子をイメージ

いったん息を吸う

息を吐きながら次は小脳をコーティング、という具合に。これを6分半ほど行なう。朝、目覚めた後に行なうのがよい。

というものです。

椎名先生から頂戴した『若返り美人呼吸』という本のなかでは、次のように書かれていますので、引用します。

ZEN呼吸法は、自分の体の見えない部分(内臓)を見つめていく、意識していくことがとても大事なポイント。それには、体の中のことを知る必要があります。

胃や肝臓がどこにあって、どのような働きをしているのかも知らないのでは、どんなに栄養いっぱいの食事を摂っても血や肉になりません。

私は、よく生徒さんに「あなたは体の社長さん。体内の臓器や器官は、昼夜を問わず24時間365日休まず働いてくれている社員。

中でも内臓は幹部社員です」とお話ししています。

大企業の社長ともなると、さすがに社員全員を覚えるのは難しいもの。けれども、幹部社員の存在さえ知らないのでは、無責任な社長と言われても仕方ありませんよね。

あなたが、そんな社長の下で働いているとしたら「こんなに残業もして頑張っているのに無関心で毎日無視するなんて……」と、やる気を失うのではないでしょうか。」

というのです。

「そこで、ZEN呼吸法では、せめて幹部社員の名前と所属、仕事内容をきちんと把握して、明確にイメージしながら深い腹式呼吸を行うようにしています。

これは、あなたが幹部社員のデスクを回って、「いつもありがとう」とねぎらいの声をかけるようなもの。

そうなれば、幹部社員もやる気が出て、部下たちにも「社長が感謝してくれているよ」と伝えてくれます。

こうして、全社員が一丸となって仕事に精を出し、会社を盛り立ててくれるようになれば、あなたは健康を取り戻すことができるのです。」

と書かれています。

先日の講習の折にも体内の臓器について図解入りの資料を頂戴しました。

私は、そんな話を聴いて坂村真民先生の詩を思い起こしました。

 業病ゆえに
わたしの一番身近にいて
わたしを一番助けてくれてきたのは
私の五臓六腑である
そう気付いてから
わたしは毎晩
仏さまを拝んだあと
五臓六腑さま
この弱いわたしを
よくぞ今日まで
延命させてくれました
更に大願成就のため
御加護を切念しますと
祈願しだした
それからというもの
悩み苦しんできた業病にも
感謝するようになった
 (『坂村真民全詩集』第二巻より)

そんな思いで体を大事にして修行してゆきたいものです。

 
横田南嶺

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