今日の出来事
岸田奈美さんの新刊本
岸田奈美さんが、初めて本を出版されました。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』という題名の本であります。
以前対談した折に、出来たら送りますと言ってくれていましたが、忘れることなく、出版社から送っていただきました。
阿川佐和子さんのオビの言葉が目に入ります。
「この本を読んだら強くなれる、たぶん。
泣きながら笑う技と、怒りながら信じるコツがたっぷり書かれているからね」
という文章です。
オビの言葉というのは難しいのですが、さすが阿川さんです。
この本の特徴をよく表現してくれています。
とにかく文章が面白い、読んでいて思わず笑ってしまいます。
笑っていたところに、しんみりとずっしりとくる言葉があって、ハッとさせられます。
読み終えると、表情が明るくなっていて、よし何があってもだいじょうぶだという気持ちになれるのです。
オビには、この本を紹介して
「車いすユーザーの母、知的障害のある弟、急逝した父–
情報過多な日々をつづる笑いと涙の自伝エッセイ」
と書かれています。
表紙の絵も字も中のイラストも、奈美さんが書かれたそうで、なんとページのノンブルは、弟の良太くんが書かれているそうです。
本の装丁も素晴らしく、一冊すみずみまであたたかい思いのこもった一冊です。
二十九歳になったばかりの奈美さんの、作家としての新たな旅立ちを応援してあげたいと思います。
皆さまにもお勧めます。
横田南嶺