川野泰周さん
第一回が龍雲寺の細川晋輔さんでした。
対談は、四回にわたって配信し、有り難いことに多くの方にご覧いただいております。
そこで、第二回に川野さんをお招きしました。
川野さんは、建長寺派の林香寺のご住職でありながら、精神科医としても活躍されています。
私などは、坐禅だけしかせずに今日まで生きてきましたが、川野さんは僧である精神科医でいらっしゃいます。
これだけでもいかにたいへんな方であるか察しがつきます。
お寺にお生まれになり、跡継ぎでありながら、なぜ医学の道をめざされたのか、そんなところから聞かせていただきました。
川野さんは、たくさんの著作もあって、その多くはマインドフルネスに関するものです。
禅の立場から、マインドフルネスについては、賛否両論さまざまな意見があるようです。
川野さんは、精神科医の現場にいながら、今まで投薬治療中心のあり方に疑問を持たれて、マインドフルネスを取り入れることによって、病状がよくなったり、再発が防げたりするという体験をなさっています。
また、ただいまのコロナ禍と言われる状況にあって、精神科を訪れる人たちにどんな変化があらわれているのか、そしてこのあとどのようになってゆくのか、興味深い話をたくさんうかがうことができました。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴って、私などが行っている講演や法話のほとんどが中止、もしくは延期になりました。
その分、時間にゆとりができるようになりました。
これは、その分お忙しく働いてくださっている方々がいらっしゃるおかげなのであります。
医療従事者の方々、行政の方々、流通に携わる方々などなどのおかげであります。
川野さんのお仕事なども、お忙しくなったと聞いています。
たとえば、テレワークという、自宅でお仕事をするようになると、これはこれで、家の中でずっと一緒に居るということがストレスになるそうです。
コロナ禍によって、大きなストレスにさらされているのだということです。
そして、更に将来このコロナの問題がおさまった後に、より大きなストレスを感じるようになるとのお話でした。
その時にこそ、お寺や僧侶の役割が大きくなるということを承りました。
そんな時に、少しでもお役に立てるように、今から力を蓄えておかなければならないと思いました。
私自身多くの事を学ばせていただきました。
何回かに分けて配信させていただきます。
横田南嶺