今日の出来事
閑古鳥
朝の寺務所でのこと。
新聞に目を通していると、鳥の鳴き声が響いてきます。
朝早くから出勤してパソコンの画面に向かう青年職員に、
「今鳴いている鳥は、なんという鳥がご存じですか」と尋ねました。
青年は、「すみません、私は鳥のことには詳しくありませんので……」と。
「あれはね、閑古鳥というのですよ」と私。
青年は、「カンコドリですか?今調べます」といって、デスクに向かったままパソコンで検索しようとしていました。真面目な青年であります。
「しらべなくていいですよ、すっかり暇になったと言いたいのです」と言いました。
もっとも「閑古鳥」は、カッコウに異名でもあります。
例年ですと、この時期に寺務所の予定表は、書ききれないほどの詰まっているのですが、今はほとんど空欄となっています。
まさに「閑古鳥が鳴く」状態であります。
そう思っていると、新聞のコラム記事にこんな和歌が紹介されていました。
谷岡亜紀さんの和歌です。
「閑古鳥とはいなかる鳥かその羽根の色を思いて夜明けに耐えよ」
という和歌です。
閑古鳥の羽根はどんな色かと問えば、禅問答にもなりそうです。
そんなことを考えていると、また閑古鳥が鳴きそうです。
横田南嶺