今日の言葉
造化の妙
畑仕事をしていて、ふと手を休めると近くに椿の花が咲いているのが目にとまりました。
お寺にいると、花を見ても、虫はついていないか、枝を払わなくてよいか、
肥料は足りているかなど、そんなことばかりが気になっていました。
ゆったりした時間で過ごしていると、ただ何も考えずに花だけを見ていました。
すると一輪の花の、その造形の素晴らしさに感動しました。
それはまさしく「造化の妙」とでもいうべきでしょう。
造化とは、
「天地の万物を創造し、化育すること。また、造物主、造り出された天地。宇宙。自然。また、自然の順行。」
という意味ですが、大自然のおおいなる営みに感動したのです。
その昔明恵上人が一輪の花に合掌していたという話がありますが、本当に花一輪に大宇宙の素晴らしい働きがあると感服しました。
折から隠寮の庭には、牡丹の花もきれいに咲いています。
誰も見る人のいないところでも、牡丹の花は、精一杯の花を咲かせています。
そんな姿にも感動します。
横田南嶺