今日の出来事
冴(さえ)返る
十五日の毎日新聞「季語刻々」には、
「人に死し鶴に生れて冴返る」
という夏目漱石の俳句が紹介されていました。
坪内稔典先生の解説には、
「暖かい日が続いていたのに急に戻ってくる寒さ、それを季語では「冴返る」と呼ぶ。冴返るは早春の気候の特色だ。」
とあります。
十四日の土曜日などは、まさに「冴返る」というにふさわしい一日でした。
冷たい雨だと思っていたら、午後から雪になりました。
積もりはしませんでしたが、日中も真冬並みの寒さでした。
明くる十五日は、朝仏殿でお勤めがあります。
毎月一日と十五日は、一山の僧侶が皆出頭して、今上天皇の聖寿万歳を祝います。
とりわけ三月十五日は、今の仏殿建立にご尽力くださった各家のご先祖総供養をいたします。
かつて山内の古老の和尚から、毎年三月十五日仏殿総供養の出頭が一番寒くなるのですよ と聞いたことがあります。
たしかにその通りかなと思わせる十五日の仏殿出頭でした。
横田南嶺