今日の言葉
大地
新型コロナウィルスの流行に関する報道が日々深刻になってきているように思われます。
これからどうなるのか、いつ収まるのか、何が本当のことなのか、分からないことが多く不安になるものです。
しかし、そんな時こそ、「地に足をつける」ことが大切であります。
坐禅とは、大地に坐ることであります。
鈴木大拙先生の言葉に、
「じかに大地に坐ることは、近代生活ではむずかしい。
床がそのまま大地だと見てよい。大地は動かぬものの象徴だ。結跏趺坐は、それゆえに、不動を意味する。」
というのがあります。
大地に坐ることができればそれに越したことはありませんが、実際には難しい場合が多くでしょう。
部屋の床の上でいいのです。
座布団が大地だと思って、足を組んで坐ればそれでいいのです。
それでも床は、大地と一つなのです。
同じく大拙先生の言葉に、
「大地はいくら踏んでも叩いてもおこらぬ。
生まれるも大地からだ。死ねば固(もと)よりそこに帰る。
天はどうしても仰がねばならぬ、自分を引取っては呉れぬ。天は遠い、地は近い。大地はどうしても、母である。愛の大地である。」
とあります。
しっかり大地に坐って、腰を立てて静かに呼吸する、今こそ大切なことであります。
横田南嶺