今日の言葉
タンポポ魂
人もまばらな境内を歩いていると、ある方が参道にしゃがんで、溝の中にカメラを向けていました。
溝の中の何を撮ろうとしていたのかなと思って、溝をのぞくと、タンポポが一輪花ひらいていました。
こんな溝の中によく咲いているなと思いました。
いつもよく通る参道ですが、こちらも気がついていませんでした。
このところ、新聞やテレビのニュースでも、新型コロナウィルスの報道が多くて、いつになったら収束するのか、まだ先が見えてこないので、気持ちも暗く沈みがちですが、
こんなところに花ひらくタンポポを見て、何か力をいただいた思いでした。
タンポポといえば、なんといっても坂村真民先生です。
自らのお住まいをタンポポ堂として、落款もタンポポを用いられました。
方丈の玄関にかけている「念ずれば花ひらく」の書も、タンポポを筆として書かれています。
タンポポ魂
踏みにじられても
食いちぎられても
死にもしない
枯れもしない
その根強さ
そしてつねに
太陽に向かって咲く
その明るさ
わたしはそれを
わたしの魂とする
真民先生の代表作の一つといってもいい、「タンポポ魂」です。
横田南嶺