今日の言葉
三月十日
三月十日は、東京大空襲の日です。七十五年が経つことになります。
かつて円覚寺夏期講座に海老名香葉子さんにお越しいただいて、東京大空襲のお話を拝聴したことを思い出します。
また私が兼務住職を務めて龍雲院の総代さんが、実際に東京大空襲を体験されていて、直にお話を伺ったことも思い起こします。
広島、長崎の原爆にも匹敵する犠牲者が出ているのですが、原爆の日のようには注目されていないのではないかと思います。
十日未明の空襲で、およそ十万人もの人が亡くなったのです。
単独の空襲による犠牲者数は世界史上最大であるとも言われます。
直接体験された方のお話を聞くことも、これからは少なくなってくるでしょうが、決して忘れてはならないことであります。
大空襲の日だと思い出し、その被害の大きさを知ると共に、
なぜあのような惨劇を生んでしまったか、止めることはできなかったのか、考えることが大事だと思っています。
横田南嶺