成人祝賀の式
成人式の日に、円覚寺において第六十二回成人祝賀の式を行いました。
曽ては、市役所から新成人になる方の名簿をいただいて、大勢の成人の方々にご案内して盛大に行われていました。
しかし、そのような個人情報を得ることが出来なくなってからは、円覚寺の幼稚園の卒園生と地元の方々にだけ声をかけて、行っています。
二十名ほどの方々に円覚寺にお越しいただいてお祝いを致しました。
最近読んだ、シャーリーコーン・コスタンゾという方の『十二の贈り物』という書物の内容をご紹介して法話をしました。
この本には、私たちは、生まれてきたときに皆、十二の贈り物をさずかっていると書かれています。
一番目の贈り物は「力」。お互いは自分の手で人生をひらく力がそなわっているというのです。
二番目の贈り物は「美しさ」。いつまでも朽ちることのない美しさがそなわっているといいます。
三番目は「勇気」、信念をつらぬく勇気です。
四番目は「信じる心」、自分も他人も信じる心。
五番目は「希望」、どんな時にも希望を失わぬこと。
六番目は「よろこび」、つきることのない喜びです。
七番目は「才能」、自分自身のかけがえのない才能。
八番目は「想像力」、夢やあこがれをはぐくむ想像力。
九番目は「敬う心」、敬うこころを持つことによって、人間として成長してゆきます。
十番目は「知恵」、必要な知識を得て、生かすことのできる知恵。
十一番目は「愛」、お互い愛情をそそぐたびに愛情に包まれます。
というように『十二の贈り物』が具わっていると申します。
しかし、なかなか十二もあると覚えきれません。
そこで、最後の一つ、これを覚えておいて欲しいのです。
十二番目の贈り物は「誠実」です。
誠なることが一番です。
本日これから皆様に「至誠」と書いた色紙を贈ります。
「至誠」とは、この上ないまこと、まごころです。
まごころを持って、誠心誠意ものごとに当たれば、
どんな人でも動かすことができます。
人が動けば、どんな世の中でも変えてゆくことができます。
そして、まごころを持ってどこまでも貫いてゆけば、
必ず目に見える成果が顕れます。
ただ途中であきらめてはそれまでとなってしまいます。
どこまでもまごころを持ってやり抜いてほしいと願います。
「至誠」まごころという言葉を皆様にお贈り申し上げます。
と法話を致しました。
晴れ着をおめしの方もいらっしゃって、華やかな方丈となりました。
横田南嶺