今日の出来事
後生畏るべし
『論語』に
「子曰わく、後生(こうせい)畏(おそ)るべし。
焉(いずく)んぞ来者(らいしゃ)の今に如(し)かざるを知らんや。」
という一節があります。
岩波文庫の『論語』の解釈によれば、
「青年は恐るべきだ。これからの人が今の自分に及ばないなどとどうして分かるものか」というのです。
十五日は、日曜坐禅会で提唱のあと、十四日から十六日まで居士林で泊まりで行われている宿泊坐禅会の参加者の方々と懇談させていただきました。
この寒い時期に、暖房のない居士林で寝泊まりするのは大変なことでしょう。
例年、この寒い時期に坐禅会に参加される方は、問題意識の高い方々が集まります。
今回も質疑応答を行っていて、早稲田大学の学生さんたちから真摯な質問がございました。
とりわけ、最後に早稲田在学の女学生さんから、これからの時代に便利さだけを追求して、次々と便利なものを発明していくと、そのために環境が壊されたり問題がおこってくるのではないか、どうすればいいのかと
質問がありました。
寒い中を坐禅しながら、単に、寒い、足が痛いなどという問題ではなく、大きな環境問題にまで関心をもっておられることに感服しました。
私は、「不便益」という言葉を紹介して、不便なことの良さを見なおすことをお話しましたが、
「後生、畏るべし」の思いを強くいたしました。
横田南嶺