管長 ジャポニズム2018@パリ④ 講演会
講演中。
横田南嶺管長のコメント。
「十月七日午後三時より
パリ私立劇場エスパス・カルダンにおいて
横田南嶺の講演会が行われました。
十月二日から始まった
パリにおいて禅文化を紹介する企画も
この講演会が最後となります。
会場には約五百名の方々が集まりました。
講演のはじまり。
「みなさん、こんにちは。
日本からまいりました、鎌倉の円覚寺です。こうしてパリで、禅のお話しをさせていただきます。
一時間ほどお時間をいただいていますが、禅を伝えるのにそんな長い時間はいりません。
たとえば、一輪の花が咲いていたら、そこに禅はすべて説き尽くされています。
もしも花がないというのならば、こうして(扇子で机を打つ)カチンと音を出せば、
それですべてを説き尽くしているのです。
これは、何も奇をてらうものではありません。
禅は、決して過去の話でも、他人の話でもなく、
今ここでこの音を聞いているものは何なのか、
これを追求します。
皆誰しも心あればこそ聞いているのです。
この心を究めてゆくのが禅の道であり、
そしてその心に花を咲かすことを目指しているのであります。
…」
○講演後の椅子坐禅。
講演のあと、会場の皆さんとともに
椅子坐禅を十分ほど行いました。
講演のあとだけあって
みな真剣に坐っていました。
講演後の椅子坐禅の
参加者の一人からは
講演を聴いた後、皆で坐禅を
していると、フランス人に日本人の
垣根を越えてひとつに溶け合ったと
感じたと言ってくれた人がいました。
講演で、
坐禅して自我意識を越えるとすべてが
ひとつながりになっている、広い世界を
感じることができると話をしていたことを
聞いていて下さったのだと思いました。
それから、また別の参加者の方が
舞台の上で坐禅している私に
後光が射して見えたと感動していた
人がいましたが、
これは、後光ではなく、単なるライトの光です。
誤解のないように。
その証拠に、私自身がまぶしくて仕方がなかったのです。
居士林で長く坐っているモルガン氏。
ちょうどフランス滞在中で通訳を手伝ってくれました。