「 今回玉名の地を訪ねて気がついたことに
小さな観音堂がそこかしこにお祀りされていることでした。
井戸水を汲みに通われた道のにも、小さな観音堂が
お祀りされていました。
この田崎の地に、真民先生のお母様は、
夫の死後三十六年お住まいになられたのです。
きっとこの観音堂にもお参りなされていたの違いないと思います。
お母様は観音信仰をお持ちであったといいますから
この観音さまに手を合わせて、五人の子供が無事に育つように
一心に念じられたのであろうと思いました。
その母の思いが、「念ずれば花ひらく」という美しい言葉となったのだと、
私も観音堂に手を合わせながら納得できたのでした。」