老師 コーネル大学生との問答⑦
横田南嶺老師とコーネル大学生との問答の第7弾です。
学生: 私は、この日本来日のプログラムが終わって、アメリカに戻ったら、
(就職が決まっていて)すぐに働き始めます。ですけれど、これから
する仕事は、とてもペースの激しい仕事なので、余裕もなくなり
また、競争的な環境で、周りを囲む人々も競争的で自己中心的な人々
になると予想されます。
ですから、自分も、その中で、自己中心的になったり、慈悲の心を
失ってしまう傾向になるのではないかと危惧しています。
働いているうちに慈悲の心を失ってしまわないように、これまで
育んできた慈悲の心をどうやって維持したらよいでしょうか?
老師: 慈悲の心というものは、そのような競争の人々の中にいたからといって
決してなくなるものではないと思います。次元が違うと言うのかな。
そのような競争の中にあっても、慈悲の心自体は減らないものです。
例えば、どんなに嵐が吹いても、月は動かないようなものだ。
あなたが本来持っている慈悲の心は、お月様のようなものだ。
競争だといって騒いでいるのは、下の方だけだ。
だから、一度、気がつくことができたなら、慈悲の心には、いつでも戻れるのだ。
(平成30年6月17日 コーネル大学生との質疑応答より)