「人間として生きる」
シャガ
洪川老師は、我々が修行をしてゆくことを、大きな家を造ることにたとえました。
大きな家を造るには基礎がしっかりしていなければなりません。
大木に根がしっかり張っているのと同じです。花や枝は目に見えますが、根は見えません。
我々の根とは何でしょうか。親が私達を産んで育てて下さったこと、
今日まで色んな人のお世話になってきたこと、それらすべてが根です。
根には、養分が必要です。様々なことを学び深め、そしてじっと堪え忍ぶことによってこそ根が深くなります。
深く根を張り、しっかりした基礎を築いてこそ、大木にもなり、大きな家も建てられます。
人間として生まれたからには、人間として生き、人間らしい人間になることが勤めであります。
その為にこうして坐禅をし自己をみつめ、目に見えない修行に励むことです。
{平成30年4月22日 横田南嶺老師 「武渓集提唱」}