「金剛経の神髄」 一日一語131
<居士林堂内>
横田南嶺老師が先日、居士林で行われたブラウン大学宿泊坐禅会での懇談会で
アメリカの大学生の質問に答えられたことをまとめてみました。
学生: 私は、宗教上の理由でベジタリアンをしていますが、私の両親は
私に肉を食べて欲しいと思っています。肉を食べることは、ベジタリアンである
私には罪悪感を感じますし、肉を食べないことで両親に心配をさせることにも
罪悪感を感じますが、そのバランスをどうすればよいですか?
老師:懇談会の最初に『金剛経』の話をしましたが、「菜食主義が正しい」とか
「肉食が正しい」と固定した考えを持ってはいけない。
「自分はこれだ!」というものを持ってはいけないということを
『金剛経』は、繰り返し説いている。
だから、あなたが親の前にいて、親が肉を食べて欲しそうにしていたら、
食べることじゃ。親がいなければ、菜っ葉だけを食べることじゃ。(一同笑)
それが『金剛経』の神髄じゃ。
<平成29年1月13日 ブラウン大学宿泊坐禅会懇談会にて>