一日一語 78
円覚寺僧堂では、お正月明けの餅開きの日に雲水さんが阿弥陀くじを引いて
横田南嶺老師が揮毫された色紙をもらっていきます。
ちなみに、ビリくじを引いた雲水さんが割った鏡餅でおしるこを作って
みんなに振舞うルールとなっています。
今年、南嶺老師が揮毫された色紙の言葉は、普段、僧堂でも学んでいる
『論語』からです。今日から一枚一枚紹介していきます。
「君子は終食の間も仁に違うことなし。造次にも必ずここにおいてし、
顚沛(てんぱい)にも必ずここにおいてす。」
『新釈論語』(講談社文庫) 穂積重遠先生 意訳
「君子たるものは、一食をすます短い時間でも仁からはなれぬ。
サアたいへんというあわただしい際でも、危急存亡の瀬戸ぎわでも、
仁を忘れぬのが君子というものぞ。」