一日一語 59
朝比奈老師は、「私たちは仏心という広い海に浮かぶ泡の如き存在である。
生まれたからといって仏心の大海は増えず、死んだからといって、仏心の
大海は減らず、私どもは皆仏心の一滴である。
仏心には罪や汚れも届かないから、仏心はいつも清らかであり、いつも
安らかである。これが私たちの心の大本である。
仏心に生き死にははない。いつも生き通しである。
人は仏心の中に生まれ
仏心の中に生き
仏心の中に息を引き取る
生まれる前も仏心、生きている間も仏心、死んでからも仏心、仏心とは
一秒時も離れていない」と喝破されています。
坐禅の修行は格別偉くなることでも、特殊な力を身につけることでも
ありません。「すべってもころんでも」皆この仏心の中にあることに
気がつくことです。(次回に続く)
{南嶺老師著 『祈りの延命十句観音経』(春秋社)より}