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臨済宗大本山 円覚寺

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2015.12.06

一日一語 56

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 毎年、この臘八の坐禅を皆様方とやらせていただくと、毎年、新たな心境と

いうものが開けてくる。これが楽しく、嬉しいところです。

今朝方も午前2時の止静(しじょう・・・坐禅中)でいつものように

「よし!今日も気力を振り絞って」と思って腰骨を真っ直ぐに立てようと

しました。腰を立てるということは、実に難しい。微妙な兼ね合いがある。

 前に倒れすぎてもいけない。後ろに緩みすぎてもいけない。ここという

一点、意識がはっきり保って禅定に入ることができる微妙なところが

一つある。それを自分でつかまえないとなりません。それが非常に難しい。

 今朝も、いつものように腰骨を立てて、いつものように気海丹田に集中して

坐ろうとやっていたところ、こういうことは、長年やっていて初めてですが

集中するはずの丹田の一点が不思議なことに見当たらない。「あれ!」と

思って一瞬戸惑ったのですが、次の瞬間に大きな気づきがありました。

 丹田というのは、長い間、意識を集中する一点と思い守ってきたが、

しかし、気がついてみると、こんな小さいものではなくして、ここで

こうして坐っている天地丸ごとが丹田であるとわかったのです。

 狭いところの一点に集中することを放下して広い大宇宙の中に

一つになっていく。何の力も入れず、何にも意識を集中させず

これ一枚大丹田であるという心境が今朝、開けました。

 坐禅を終えて、そういえば、この心境をうたった漢詩があったなあと

『江湖風月集』を紐解いてみると次の漢詩がありました。

{丹竈(たんそう)功成りて、気、虹に似たり、

丹竈を掀翻(きんぽん)して無功に到る。

雲、剣閣を遮る三千里

水、瞿塘(くとう)を隔つ十二峰。}

「丹竈(たんそう)功成りて、気、虹に似たり」とは、気海丹田に

意識を集中して気を練って練っていくと、その気力というものは

大空を描く虹のように広大な心境となる。

「丹竈を掀翻(きんぽん)して無功に到る。」とは、しかしながら、

そんな狭いところの丹田なんかはもう必要もない。丹田なんか捨ててしまって

何もない無功に到るです。意識を集中するだのしないだのという功を労することは

もういらない。

そして、「雲、剣閣を遮る三千里、水、瞿塘(くとう)を隔つ十二峰。」です。

実に雄大な景色です。この句は、この天地一枚の大丹田をうたった句であると

今朝、わかりました。今まで、この句を知ってはいたのですが、それが自分の

境涯(心境)とまだ一つに到っていなかった。今朝、なるほど、このことだと

気づきました。

 やはり、坐っていくと心境というものは、変化してくる、開けてくる。

今までわからないことがはっきりとわかってくる。これが坐をむさぼるという

ことであります。

 仏心とか本来の面目とは何か小さなかたまりがどこかに隠れいるような

ものでは決してない、天地いっぱいのものなのです。
 
{平成27年臘八大攝心 5日目 『仏光録提唱』より}
(後記)

 臘初大攝心も4日(金)が中日でした。

晩の止静では、南嶺老師が巡警(警策という棒を持って点検)に立ち、禅堂に坐る

三十名の雲水、居士全員に策励(警策で軽く肩をたたいて激励をする)しました。

 また、南嶺老師は、臘八大摂心中には自ら気合いを入れる為に、毎朝、冷水をかぶることをしていますが、

今までは、丹田に力を入れてかぶっていたところ、大丹田の心境に気づいてからは

体に力を入れずとも、まるで庭石に水をかけるように自然に水をかぶる

ことができるようになったともお話されました。
 

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