開山忌
今日、明日と円覚寺では、開山忌(円覚寺開山・無学祖元禅師のご命日法要)となり、
円覚寺派をあげての1年で最も盛大な儀式を行います。
横田南嶺管長の新刊本「禅の名僧に学ぶ生き方の知恵」(致知出版)に出ている
無学祖元禅師のお人柄にまつわる文章(p39)を紹介します。
{「若し頻りに涙を下らしめば、滄海も他た須らく枯るべし」
(海の水がなくなってしまうほど涙を流しても足りないぐらいだ)
仏光国師(無学祖元禅師)は情に厚く、心の温かい人であったのです。
それがこの言葉によく表れています。人々の悲しみや苦しみがなくなるまで
私の涙が消えてなくなることはない。それは衆生の悲しみや苦しみを
我がことのように思うからです。・・・
円覚寺開山の仏光国師には、「泣き開山」というあだ名があります。
ご命日の10月3日には円覚寺一山をあげて大行事を執り行いますが、
毎年必ず雨が降るという言い伝えがあります。そう言われてみれば
確かに、開山忌には必ずと言っていいほどどこかで雨が降ります。
「それは開山さんが情にもろい人だったからだ」と言われて、
「泣き開山」というあだ名がついたのです。
その雨を見ながら、「ああ、ご開山様の涙であるな。今の世の中を見て、
こうして涙を流していらっしゃるのであろう。これを忘れてはいけないな。」と
毎年、私は思っています。}
不思議なもので、今午前6時半頃ですが、鎌倉は、確かに開山さんの涙に包まれています。
今日の開山忌の主な予定は、午後3時 仏殿にて読経⇒舎利殿にて読経となっています。
明日は、午前10時 舎利殿にて読経⇒仏殿にて読経となっています。