大きく坐れ
6月20日から始まった僧堂の半制大攝心も今日で中日となりました。
横田南嶺老師が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
昔、我々は坐禅をするときは大きく座れと言われました。小さな座布団の上に
ちょこんと坐るのではなく、この天地・宇宙をひっくるめて一枚の蒲団として
それをお尻の下におっぴいて、この大宇宙の主人公になったつもりでどっかり
坐れということです。
四畳半の部屋に坐ったら四畳半一杯に坐り、禅堂に坐ったら禅堂の空間一杯に
坐る。それには、まず腰骨を立てる。頭のてっぺんでもって天を貫くがごとく
山がそびえるように大きく坐る。
この天地・大宇宙の気を、空気を鼻からいっぱいに吸いおなかの下・おへその下に
おさめて、そうしておへその下・丹田から鼻を通じて天地・宇宙にいっぱいに吐き出す。
天地の気を吸い天地の気をいっぱいに吐き出して、天地一杯のいのちを生きていることを
体感するのです。
私たちが「無」というのは、この天地一杯のいのちに他ならない。そこには「自分だ!他人だ!」
という自他の境目はない。自分をなくすことは難しいことですが、自他の境目は本来なかったと
気づくことが大事です。
それなのに、「無とは何か?」や「自分は無になりきれない」と考えて、悩み苦しんでいるのは
いったい私たちのどの部分か?広い大宇宙の大きなところから見れば、それは私たちに小さな体の中の
そのまた、小さな頭の中でゴチャゴチャと問題をかきおこしてしているに過ぎないのです。
自分の体の様子、天地一杯に呼吸をしている様子を見ても、いったいどこに苦しんだり、
悩んだりしている様子があるでしょうか?そこを究めていかなくてはいけません。
{平成26年6月20日(金) 釈宗演老師臘八示衆提唱より}
(後記)
平成26年度 夏季学生大攝心(於 居士林 2泊3日)の日程が9月20日(土)~22(月)と
決定しました。参加応募は、7月終わり頃から円覚寺公式ホームページ上にて行います。
来年は居士林の改築が予定されていますので、現在の居士林の建物で行う最後の学生攝心と
なります。皆様のご参加をお待ちしております。