三帰戒
1月23日(木) 制末大攝心 中日
<円覚寺山内・黄梅院 マンサク咲き始めました。>
横田南嶺管長が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
三帰戒というものがあります。
南無帰依仏 (仏様をよりどころとします)
南無帰依法 (仏様の説かれた教え・真理をよりどころとします)
南無帰依僧 (仏様の教えを学ぶ教団をよりどころとします)
戒というものは殺そうとしてはいけないとか嘘をついてはいけないといった
禁止、規則のように思っているとこの三帰戒はわかりにくいかもしれません。
本来、戒というものはインドの言葉で「シーラ」と言いまして、日本語に訳すと
「習慣」「躾(しつけ)」に意味が近い。心に良い習慣をつけ、心に良い躾をつける。
この世の中を生きていく上で心に良い習慣をつけていくというのが戒の本来の意味
なのです。
私たちは、毎日朝起きたら顔を洗ったり、口をそそいだりといった習慣を行って
います。そういう習慣が身についていればきちっとした生活を送ることができます。
心にも良い習慣を身につけておけば、この人生を豊かに生きること出来るのです。
戒というのはこのように良い習慣を身につけるというのがもともとの意味であり
ます。むしろ、戒律の律という言葉に「あれをしてはいけない、これをしてはいけない
こういうことをしたら、こういった罰則を与える」といった規則、禁止事項の意味が
含まれています。
三帰戒というのは、3つのことをよりどころとして生きていきましょう、良い習慣を
身につけていきましょうということなのです。