深い禪定
4月24日(水) 入制大攝心・5日目
管長様が今日の僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
建仁寺管長であられた竹田益州老師にご自分の修行時分のことを書かれた
次のような文章があります。あれほどの老師も坐禅を始めた頃は大変苦労を
なさったというのがひしひしと伺える内容です。
「坐禅をして2時間もたつと足が痛くて左右交互に組み替える。それでも30分
もつかどうかだ。何日も坐ってばかりいるから、最後は5分もすると足が痛くて
うずくようになって辛抱しきれない。
でもここが我慢のしどころと歯を食いしばって、この峠を捨て身の覚悟で
乗り越える。どんなに足が痛くても、なにくそ!と結跏趺坐(けっかふざ)を
崩さない。
すると2~3日たつと徐々に結跏趺坐の姿勢が身についてきて、本当の坐禅の
組み方が一番安定した姿勢で、ゆったりとした禅定に入ることを養うことが
できるとわかった。
多くの人は途中で、楽で安易な半跏趺坐(はんかふざ)に流れてしまい
そこまで至らない。
お釈迦様は樹下石上に坐禅をされて、この仏教の原理がこの結跏趺坐の原理から
湧き出でたと気づいた。この三昧の中に、この結跏趺坐の足のうずきの中に
お釈迦様の教えがひしひしと脈打つのであります。」
どんな人でも、最初のうちは安閑としてのほほんとして修行をすることはない。
もうこれでだめかもしれないというところをあえてこの坐を崩さずに乗り越えて
来たのです。
これを何度も乗り越えることによって、この正しい坐禅の姿勢が自分に身につく。
そして深い禅定に入って身も心も爽やかになっていくものです。
雨に打たれて・・・石こく。