振り払う
5月25日(金)月並攝心6日目
管長様が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
昨日、地裂け天崩れるがごとき坐禅という話をしましたが
では、いったい、何が崩れるのか?これは決して外のもの・
よそのものではありません。己が崩れ落ちる、自分だと
思いこんでいたものがはっと崩れ落ちていくのであります。
何かの問題に行き詰まるということは、(自分中心の)
意識・分別でもって「ああではないか、こうではないか」
考えることから起こります。そして、ますます(問題の
解決には)遠ざかってしまいます。
己を殺して坐る以外には何ものもないのであります。
意識・分別の絶したところ、気力の尽き果てたところ、
そこで始めて、仏心光明の中にいたと気がつくので
あります。仏心の中にいながら、心がどん欲・怒り・
昏沈などに覆われていて気がつかなかったの
であります。
これら心をおおうものを振り払っていく、穴をあける、
こそぎ落としていく。それには第一に腰骨を立てること。
本当に腰骨が立ったらあとのことはいらんくらいです。
腰骨を立てて、気をおなかの下・丹田に允たしめて、
力をこめて強い呼吸をする。眠気を振り払うにはやはり
はっきりと自分の呼吸を意識する。
そうして精魂果てるまで、全身全霊でやっていくしかない。
そこで体験したこと、自覚したこと、「ああなるほど」と気が
ついたことが本当の自分の宝となるのであります。