自我がなくなると・・・
5月26日(土)月並攝心最終日
管長様が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
朝比奈宗源老師が次のようにお説きになっています。
「自我というものが迷いの根本であるというけれど
その自我を滅し尽くす・殺すことは、そう簡単にできるもの
ではない。私達は常に自分中心の生活をしているから
それを否定することは、まるで魚に水から出よというくらい
困難なことだ。
それでは、どうしたらいいのか?それは、菩提心を持つ
ことである。自分だけ悟って何かをしようというのではなく
自分よりも人に尽くそうという気持ち・利他心・慈悲心を
持つことだ。私達の心の本性は仏心であり、この慈悲心
に他ならないとこう信じることであります。
何か人の為に一生懸命尽くして、その人が喜んでくれるのを
見れば私達も無条件に喜びます。他の人が(震災などで)
人の為に尽くして働いている姿を見ると私達もうれしくなります。
これが私達の心の本性が慈悲心である何よりの証拠であります。
この慈悲の心を育てていく、これが自我を克服する大きな道筋
である。」と。
自我を滅していくことと、己を尽くしていく・無に成り切っていくこと、
利他・慈悲心を育ててそれを充ちあふれさせていくことは、実は
同じ事なんです。
自我がなくなると何やらどうやって生きていったらよいのか不安に
なるかもしれませんが、無に成り切ることは同時に慈悲の心に
充たされることと同じなんです。
<龍隠庵>
今日で、月並大攝心は無事終了しました。みなさん、
有り難うございました。さて、本日の土曜坐禅会
初心者の部75名、2部55名でした。たくさんの方の
ご参加、重ね重ね、誠に有り難うございました。