獅子奮迅
4月25日(水)攝心6日目
管長様が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
「獅子奮迅三昧」という言葉があります。勇猛に坐り、
禪定に入ることであります。獅子が威を奮うがごとく、
全身の毛を逆立てるがごとく、激しい気力を持って
坐るのであります。
自分の心を制御するということはそれほどの気力を
要することです。ぼやっと坐っていたのでは、自分の
雑念・妄想に引きずり回されてしまうだけとなって
しまいます。
また「獅子を飼い慣らす」という言葉があります。
お釈迦様は、心は仏心であると言っているの同時に
心は猛獣よりも恐ろしいと言われています。
自我や欲望にとらわれた心は、暴走しどれほど
害を出してしまうかははかりしれません。ですから、
この心をととのえる、妄想が交わることのないように
しっかり「心という獅子」を飼い慣らす必要があります。
自我・欲望にとらわれなければ、心の働きは自ずから
慈悲・いくつしみ・思いやりであります。修行をして
大慈悲心を開発していくのであります。
いろんな人に会ってきましたがつくづく思うことは、
修業時代、獅子奮迅に真剣に鬼のように坐った人ほど
情が深い、慈悲深い、思いやりがある和尚さんになって
います。真剣に坐禅をした人ほど心配りがこまやかな
和尚さんになっているとよく感じます。
その為には、自分の心と向き合う修行です。
心をほしいままにしないで自分を律し、獅子奮迅
の勢いを持って坐り、心の本当はなんであるか?
なるほどお釈迦様の言葉の通り、仏心であったと
気づき、慈悲心がこんこんとわき起こるところまで
坐ってもらいたいものであります。