信じようが信じまいが
1月8日(日)その3
日曜説教会の提唱その3
一遍上人は小さなお札に南無阿弥陀仏と書いて配ること
によって念仏を広めていました。あるとき事件が起きました。
ある坊さんにお札を渡そうとすると自分は念仏を信じる心が
ないから受け取ることはできないと断られてしまいました。
一遍上人は周りの人目もあり無理にでも受け取って
もらいましたが、はたしてこれでいいのか?信じる心のない
人にはどうしたらいいのか?と深く悩んでしまいました。
そこで熊野大社にこもり祈っていると熊野の神様が
一遍上人の前にあらわれ言われました。
「あなたが念仏を勧めるからみんなが往生するわけではない。
阿弥陀様はとおの昔にみんなを往生・救ってくださっている。
念仏の札を渡そうが渡さまいが阿弥陀様はみんなを救って
いる。だから信じていようがいまいが、どんな人であろうが
区別なくその念仏を広めなさい」と。
これは禪の悟りに通じるものがあります。
朝比奈宗源老師も「信じようが信じまいが
人はみな仏心の中に生まれ、仏心の中に生き
仏心の中に息を引き取る」と仰せになっています。
一遍上人は熊野権現の教えによって
「我 生きながらにして 往生せり!」とこう気づかれた
のであります。