捨てて捨てて捨て得ないもの
1月8日(日)その2
管長様が本日の日曜説教会で提唱されたことをまとめてみました。
坂村真民先生の詩に「捨てて捨てて捨て得ないもの」という
詩があります。私達が何もかも捨てきったら一体どうなるか?
何が残るのでしょうか?
「捨てて捨てて捨て得ないもの。
それは一遍上人にとっては南無阿弥陀仏であり
私にとっては詩であり 母(先生のお母さんのこと)に
とっては5人の幼子であった。
捨てて捨てて捨て得ないもの。
それは人それぞれのものがあろう。
でもあくまでもそれは財産でもなく名誉欲でもなく
人の為に尽くす無償の愛でありたい。
かつてない狂乱の時代に生まれ
静かに一隅にあって花を愛でたい。
捨てて捨てて捨て得ないものを私は今日も
こい願う。」
無償の愛とは見返りを求めない愛という意味であります。
仏教では慈悲と申します。何もかも捨て去って最後の残るものは
人の為に己の力を傾け尽くしていく無償の愛・慈悲・いくつしみの
心であります。とりもなおさず、仏心・仏の心であります。
それは、お互いめいめい一人一人の本心でもございます。
それが本心であるにもかかわらず好きだ嫌いだとわがままを
いってかえって自分を苦しめ自分を見失ってしまっています。
捨てて捨てて捨て得ないもの、それでも最後に残るものは、
人の為に無条件で何かお役に立ちたいという願いであります。