今日の命は・・・
12月12日(月)臘八大攝心5日目
管長様が本日の僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
いかに自分に対して正直であるか?「まあ、この程度でいいや」とか
「こんなもんでいいや」と妥協をしないこと。また、本当に自分で納得が
いくかどうか?これが修行の上では大事なことであります。
白隠禅師のお弟子の和尚さんのもとに沖縄から修行者が見えました。
(江戸時代のお話です。)
3年間の期限を決めて一生懸命禪の問題に取り組んだのですが全く理解が
できない。修行僧は和尚さんに「自分は琉球から命がけで本土に
渡って来て禪の問題に取り組んだのですがさっぱりわからない。このまま
むなしく琉球に帰るのは悔しくてならない」と涙ながらにうったえました。
それを聞いて和尚さんは「とにかくあと7日間やれ。」と慰めました。
僧は7日間やったけれどやはりわからない。そこで和尚さんに
「どうしたらいいか?」と聞くと、和尚さんは「「よし!もう一回7日間
やれ!7日間やればきっとわかる。」と励ましました。それでもまた
埒があかない。次は21日間だ、次は5日間だとやったがそれでも
どうしても埒があかなかった。
そこで和尚さんは「そういうことであれば、3日間に限る。ただし
3日やって後、埒があかねば琉球に帰るのではなく、その場で
死になさい。」と言いました。
そこで琉球の僧は火がついて身命をなげうって修行をして
禪の問題を通ることができました。
死力を尽くすと言います。
あと何日、何年あるから大丈夫と思うのではなく
今日の命は今日使い果たす!
今日死んでもいいんだという覚悟で
臨んでこそ道は開けるものであります。
夕日に紅に照りあがる黄梅院の山です。