1月攝心提唱6日目
1月25日(火)
老師が僧堂攝心で提唱されたことをまとめてみました。
今日は、幕末から明治の禪僧雪潭禅師のお話です。
後に「雷雪潭」と呼ばれるほど、厳しかった老師の
僧堂に出世される以前のエピソードです。
和歌山県太田川は、昔河口にに船を入れるのが困難だったため、
水難事故が頻繁におこったそうです。そこで、川を見渡せる
山上に海難よけのため、雪潭禅師は法華経の経文を一字一字石に書き
埋めたそうです。
水難事故で大切なお父さんを亡くした人や自分の大事な
跡取り息子を亡くすなどして、悲嘆に暮れている村の人々。
その悲しみを禅師は心から受け止めて、たとえ祈っても仕方がないと言われようが、
祈らずにはいられなかったのでしょう。
どうか村の人々が安らかでありますように。
どうか、もう、悲しい事故が二度と起こりませんように。
目に見えないところで、人の悲しみを自分の悲しみとして
一字一字お経を石に書き山に埋められた禅師のお心。
私達は、世間の人が苦しんでいるその悲しみをどこまで
本当に受け止めることができるのでしょうか?
(後記)「お風呂の神様」跋陀婆羅菩薩(ばったばらぼさつ)と
お呼びします。
水によって悟りを開いたために、禪林では浴室にその像が
設けられています
修行僧は、開浴前にこの御前で2回拝をし、開浴後一回拝をします。
全部で3拝をします。