成人式法話
1月12日(水)
先日の円覚寺での成人式で管長さまがお話しされたことを掲載します。
成人おめでとうございます。
まずは心からお慶び申し上げます。
しかしながら、今朝の新聞の社説には
こんな記事がありました。
新成人を心から祝福したいが
何がめでたいのかという反発もあるかもしれない。
確かに社会保障制度の先行き不透明さと
このままでは将来のしかかってくる過重な負担。
今超氷河期といわれる就職難、雇用不安、格差の拡大を
どう乗り切ればいいのか…
上記のような記事でした。
成人を迎えてうれしいとともにこれからの将来に
不安も抱えていらっしゃると思います。
円覚寺の成人式にきていただいて
毎年管長が色紙に言葉を書いて送ることが慣例になっています。
皆さんにどんな言葉を贈ろうか、考えまして
「至誠」と書きました。
中国の古典に「至誠にして動かざるものは未だこれあらざるなり」とございます。
至誠とはこの上ないまごころです。
まごころを持って誠心誠意ものごとに当たれば、どんな人でも動かすことができる。
人が動けば、どんな世の中でも変えてゆくことができます。
また「至誠無息(しせい やむことなし)」という言葉もございます。
まごころを持ってどこまでも貫いてゆけば必ず目に見える成果が顕れます。
ただ途中であきらめてはそれまでになってしまいます。
どこまでもまごころを持ってとことんやり抜くことです。
そう願って「至誠」の二文字をしたためました。
これからいろんな困難にも立ち向かうでしょうが
この言葉をどうかこころに留めておいてください。