今日の言葉
朴(ほお)の葉
青山俊董老師に招かれて
塩尻の無量寺に参りました折、
まず目についたのはご本堂の前にある
朴の大木でした。
夏でしたので、花はありませんが
大きな葉っぱがたくさんついていました。
青山老師と一緒に本堂の前を
歩いていると
目の前に、朴の大きな葉っぱが
ハラリと舞い落ちました。
すると、青山老師は
とっさにお身を屈めてその朴の葉を
お拾いになって
私に、スッと渡してくださいました。
青山老師というお方は、そのたたずまい
お歩きになるお姿、
一挙手一投足、ことごとく絵になるお方なのです。
朴といえば、なんと言っても
坂村真民先生がこよなく愛した木です。
そのことを十分ご承知の上で
これから真民詩の話しをしようとする
私に朴の葉を下さったのでした。
真民先生には『朴』と題する詩集があります。
その詩集の最後は、朴という詩が二つ
載せられています。
青山老師からいただいた無量寺の朴の葉は
もちろんのこと、大切に持ち帰ってきました。
写真は
塩尻から持って帰った朴の葉と
詩集『朴』の表紙。
そして『朴』の最後に載せてある
「朴」の詩。
横田南嶺