侍者のことば(夏の臨済録結集 二日目)
本日は勉強会の二日目です。
第一講目は管長様による「布薩」です。
僧堂では毎月二回、布薩を行なっていますので、皆も作法だけは慣れています。
まず三世の諸仏に礼拝をし、次に僧侶が守るべき戒を読み上げ、そしてそれを日常で守れているか各々が我が身を反省します。
「戒を完全に守ることはとても難しい。しかし、守れなかったとしても、それに気づき反省し、また守れるように努力することが大切だ。」
人間の弱さと修行の厳しさ、管長様のお話にはいつも修行僧は背中を押していただいています。
続いて京都相国寺の老大師のお話です。
我が宗門がどのような問題を抱えているか、和やかな雰囲気の中、お話下さいました。
僧堂の生活を維持する為に各老大師がいかに心を砕いておられるか、改めて身にしみる思いがしました。
ここで、昨日できなかった藤田一照先生のボディワークの時間となりました。
人間の体は、頭で意識していないところでも自然と妙なるはたらきを続けているということを、実感させていただきました。
また、僧堂で身につける作法というのが、身体のもつ無意識のはたらきを十全に発揮させている、ということも初めて知りました。
いままで無意識、無自覚に行なっていた作法に深い意味があったことに、一同目から鱗の落ちる思いでした。
そして最後は野火止平林寺の老大師のご講義です。
僧堂生活の目的は、いかに禅定(雑念のない意識の統一)の力を深めるかにある、と断言されました。果たして自分にどれだけの力があるのか、拝聴しながら冷や汗が出ます。
禅定力を深めるに為に行っている指導法も見せていただきましたが、即座に我々の僧堂でも取り入れた方がいいと思いました。
二日目を通じて、臨済宗の僧侶にとって一番重要な修行と学問について、あらゆる側面から深く学ばせていただきました。
お集まりいただいた講師の各老大師、先生方に心より感謝申し上げます。
侍者しるす