今日の言葉
立秋の法話
八月八日は立秋です。
暦の上では秋とは申せ
暑い盛りであることは
言うまでもありません。
八日は、毎年佛日庵さまのお施餓鬼で
法話を勤めています。
その日も朝から厳しい暑さながら
大勢の檀信徒の方々がお集まりくださりました。
厳しい暑さの中を、辛抱してつまらぬ話しを
聞いてくださることには、手を合わせる思いであります。
ちょうどその日の朝、新聞のコラム記事に
「お盆」という題の文章がありましたので
それを紹介してお話を始めました。
三重県の七十代の女性の方の文章です。
以下に要約してみます。
梅雨明けとともに照りつける暑さがやってくる。
しかし暑い暑いといってエアコンをつけて
のんびりしていられない。
まずお墓を掃除し、家のまわりの溝も掃除し
ご先祖の御霊が気持ちよくお盆に帰って来られるように
準備する。
仏壇には義母から教わった通りにお供えをする。
庭には餓鬼棚を立てて、仏さまのおさがりを
さまよう無縁仏に供養する。
二十何年も前に義母から教わったよき風習を
受け継いで守っていきたい。
という内容でした。
受け継がれた伝統の行事をそのまま伝えてゆくことは
段々と難しくなってきています。
しかし、変わらずに守り続ける風習があることも
尊いことであります。
夏の暑い時ですが、変わらずにお盆のお勤めが
できるというのは有り難いことだと
お話を始めたのでした。
横田南嶺