今日の出来事
阿闍梨様の書
塩沼亮潤阿闍梨様のお寺にうかがい
阿闍梨様のお部屋にお邪魔すると、ご自身の色紙がございました。
きのうまで
流した涙が
雨となり
悟れや悟れと
はげます
雨音
と書かれています。
ご自身が、千日回峰行の最中、山の中で雨に打たれて
出てきたお言葉だとうかがいました。
もう一枚は、
くず湯二杯で四十八キロ
あるいた お中(腹)がとおり
食べてもすぐでてくる
苦しくてないて 誰も
いない山で……部屋に
かえったら涙がとまら
ない 体がふるえて
よくいってきた
四百九十四日
墨がにじんでいるところは
実際の涙のあとだそうです。
「くず湯二杯で四十八キロ」
平坦な道でもたいへんなことです。
それが険しい山道ですから、想像を絶します。
そんな絶望を
おそらく何度も何度も
乗り越えて
今の阿闍梨様のすてきな笑顔があるのだと思います。
書もすばらしく
言葉も詩になり、歌になっています。
横田南嶺