今日の出来事
茶の木には茶の花咲いて
土曜日には、午前中に兼務寺院の法要に出向。
先代の住職のご親族にあたる方の一周忌法要を務めました。
先代は、私の得度の師匠であります。
ご親族の方ですので、私も学生時代からよく存じ上げている方でした。
まだ六十代で、昨年の暮れにお亡くなりになって、少し早めての一周忌法要でした。
ごく親しくさせていただいていた方なので、読経をしながらも、
あれこれと学生の頃からの思い出が浮かんできます。
そなえられた遺影に目をやると、ありしの日のおもかげが浮かんで、こみ上げてくるものがあります。
読経を終えて、お墓にお参りして更に読経。
折から、境内の木々も少しずつ紅葉をはじめ、
秋の空が澄みわたって、なお一層悲しみを深くします。
「秋深し、悲しみ更に 新たなる」
句ならぬ句を口ずさむ。
墓前で読経していると、目の前に茶の木の花が咲いていました。
俳人山頭火の「光あまねく 茶の木には 茶の花咲いて」の句を思い出しました。
はかなく消えゆく命に思いをはせながら、
目の前には、ひっそりと咲く茶の木にミツバチが懸命に蜜を取っています。
命のはかなさと共に、眼前の小さな命あるものの輝きを感じていました。