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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.11.23
今日の言葉

飛騨の高山で法話

先日は飛騨の高山に行って参りました。

高山に宗猷寺というお寺があって、そこで法話をさせてもらいました。

以前にも法話をしたことのあるお寺です。

七年前の十一月に法話に参りました。

その時はずいぶん寒かった印象がありますが、今年はとても暖かでした。

地元の方もこんなに暖かいのは初めてだと言っているほどでした。

宗猷寺は、大寺院であります。

本堂も本山の仏殿なみの大きさであります。

こちらのご住職が、円覚寺の修行道場で修行されたご縁であります。

今のご住職は、すでによその修行道場で修行をすませ、宗猷寺の副住職となっていたのですが、住職に就任するにあたって、もう一度修行しようと円覚寺の僧堂に見えたのでした。

とても誠実で修行に熱心で、それでいて謙虚で、まわりの修行僧からも慕われていました。

すでにご家庭もお持ちでありましたが、一念発起されての御修行には、私も頭のさがる思いでありました。

そんなご縁があったので、七年前に一度法話にお招きいただいたのでした。

その時も前後の予定が混み合っていて、現地滞在は二時間ほどで、日帰りしたのでした。

地元の仏教会の行事で、他宗派の和尚様方もお見えくださっていました。

日曜日ということもあって、大きな本堂にいっぱいの方々であります。

宗猷寺は、臨済宗妙心寺派のお寺であります。

かの山岡鉄舟居士が、もともとこの高山のお生まれであります。

もともと鉄舟居士は小野家に生まれ、山岡家の養子になったのでした。

その小野家は、宗猷寺にお墓があるのです。

鉄舟居士は、この宗猷寺で早くから禅の教えも学ばれたようです。

私が案内された部屋には、鉄舟居士の書がありました。

名前が小野髙歩となっていましたので、お若い頃の貴重な書であります。

そして本堂の前に、鉄舟居士の両親のお墓がございます。

鉄舟居士がお建てになったのであります。

そして鉄舟居士の大きな碑もございます。

お亡くなりになって地元の方々がお建てになったというのです。

鉄舟居士の親は、もとこの高山の郡代だったとのことであります。

そんな鉄舟居士ゆかりのお寺であります。

鉄舟居士は幼名鉄太郎といい、幼い頃はかなりの腕白だったようです。

時の宗猷寺の和尚から釣り鐘をあげようと、冗談で言われて、本当に宗猷寺の鐘楼にある鐘を下ろそうとしたという逸話があるのです。

今も立派な鐘楼がありますが、その鐘は、鉄舟居士が下ろそうとした鐘ではありません。

戦時中金属類の不足による供出でこの梵鐘も出されてしまったのでした。

昭和三十七年にできた新しい梵鐘だそうです。

宗猷寺は寛永九年(1632年)金森三代重頼(しげより)と重勝(しげかつ)の兄弟が、その父金森可重(ありしげ)の菩提を弔うために建立されたお寺です。

金森可重の子には金森宗和がいます。

茶人であります。

『広辞苑』にもその名が載っています。

『広辞苑』には、

「江戸前期の茶人。

宗和流の祖。

飛驒高山の城主可重(ありしげ)の長男。名は重近。

父に勘当され京都に蟄居。

姫宗和と呼ばれて公家風の茶で知られ、陶工野々村仁清を指導して御室焼を創始させた。」

と解説されています。

今も宗和流という流派がございます。

由緒もあり、大伽藍を誇るお寺であります。

こんな大寺院を継承するのはたいへんなことであります。

私が以前お伺いした時には、円覚寺での修行を終えて代替わりをされる頃でありました。

住職を譲られた閑栖和尚さまもお元気でお迎えくださいました。

法話が午後三時からで、午後二時から観音様の法要が行われていました。

控え室にお経の声が聞こえてきました。

ここではかつて白隠禅師も七十四歳の頃のお見えになって、碧巌録を提唱されているのであります。

そのときに、お坊さん尼僧さん三百名も集まったということであります。

それから控え室の床の間には、釈宗演老師の達磨の画を掛けてくださっていました。

大正三年にこの宗猷寺で書かれたものであることが、讃を読むと分かりました。

在家の方の為に書かれたもので、今日私の為に、一時お借りしてかけてくださったのでした。

住職のお心遣いに感動します。

そんな由緒があり、名だたる高僧が訪れたお寺で法話となるととても緊張するものであります。

七年前には観音さまの話をしました。

法話の前のお経は、円覚寺でお唱えしている延命十句観音和讃でした。

これを読んでくれているのも有り難くうれしく思いました。

今回は「仏心の中を歩む」と題して、私のこれまでの歩みを紹介しながら、朝比奈宗源老師が説かれた仏心の世界をお話しました。

終わりには、仏心の中で微笑みを絶やさず生きようと、小泉八雲の言葉を紹介しました。

『日本の面影』にある言葉です。

池田雅之先生の訳文を紹介します。

「相手にとっていちばん気持の良い顔は、微笑している顔である。だから、両親や親類、先生や友人たち、また自分を良かれと思ってくれるひとたちに対しては、いつもできるだけ、気持ちのいい微笑みをむけるのがしきたりである。そればかりでなく、広く世間に対しても、いつも元気そうな態度を見せ、他人に愉快そうな印象を与えるのが、生活の規範とされている。たとえ心臓が破れそうになっていてさえ、凛とした笑顔を崩さないことが、社会的な義務なのである。」

という言葉です。

今のような時代だからこそ、一人一人微笑みを大事にしたいのであります。

高山は行楽日和でいろんな行事も行われているようなのですが、みなさんがとても熱心に聞いてくださるので、話しやすくてたすかりました。

これは普段和尚様が熱心に布教されているからだと感じました。

法話を聞き慣れてくださっています。

教化が行き届いていらっしゃると感じました。

私のところで修行されたご縁のある和尚が立派におつとめになっているのに触れるとうれしくなるものです。

有り難い高山行きでありました。

 
横田南嶺

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