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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.11.21
今日の言葉

足から変わる

西園美彌先生にお世話になるようになって、もう三年近くなります。

二〇二二年の一月十一日の管長日記に、

「足を地に着けて立つ」と題して、初めて西園先生に教わったときのことを書いています。

そこには、坂村真民先生の詩が引用されています。

今回もあらためて、真民先生の詩を紹介します。

 尊いのは足の裏である
尊いのは
頭でなく
手でなく
足の裏である
一生人に知られず
一生きたない処と接し
黙々として
その努めを果してゆく
足の裏が教えるもの
しんみんよ
足の裏的な仕事をし
足の裏的な人間になれ

頭から
光が出る
まだまだだめ
額から
光が出る
まだまだいかん
足の裏から
光が出る
そのような方こそ
本当に偉い人である

足の裏の大事なことは頭では分かっていたつもりでありましたが、西園先生との出会いによって、実に頭でなく足から分かってきました。

足が変わることによって、体が変わり、心も変わることを実感してきました。

またその時の日記には、「立つ」ということについても書いています。

「立つという字を漢和辞典で調べてみると、

「しっかりと両足を地につけてたつ。安定させてたてる」

「足を地につけて、しっかりと生活をする」

「組織・きまり、仕事の基礎などをしっかりと決める」

「位につく。取り上げて位につかせる。後継ぎに決める」

などの意味があります。

漢字の成り立ちは「人が両足を地につけてたったさま」を表しています。

足を地に着けて立つということは、大切なことであります。」

というのであります。

人間が立つということは本当は難しいものです。

あの小さな足で、大きな全身をまっすぐにささえるのですから、難しいのです。

かつて学校では、廊下で立たせるという罰がありました。

立たせることは罰だったのです。

しかしその立つことが実に心地よく、いつまでもこのまま立っていたいと思うようになるのです。

西園先生に教わって、その翌日にもその感覚が体に残っていて、朝いつものように立っても、胸のあたりから足が生えているような感覚で、地面の深くまで足が突き刺さっているようで、安定感があり、どっしりとして、それでいて腰などに無理がなく、心地よく、いつまでも立っていられるような気持ちなのです。

立つという感覚が、ここまで変わるとは驚きであります。

『魔女トレ』という日貿出版から書籍が出されたのは、二〇二一年の一二月なので、もう三年になるところです。

三年近く、教わってきて、鈍感な私の足もずいぶん変化しました。

先日もまず足の裏に手のひらを合わせて、足で手を感じることが難なくできるようになっていました。

足の裏より、手の方が敏感なので、足の裏と手のひらを合わせると、手で足の裏を冷たく感じるものです。

しかし、今回は、すぐに足の裏で手のひらを暖かく感じることができるようになっていました。

大きな変化です。

足首まわし、足をほぐしても、すこしは柔らかくなったように感じます。

足首や足指と股関節と、どう関係するのか、はじめの頃は全く分かりませんでしたが、この頃は足指と丹田とのつながりも感じることができるようになってきました。
また実際に、近くで習っていた修行僧が、足指、足首を調えただけで、しっかりと坐が組めるように変わっているのですから、驚きです。

こういう驚くような変化があるので、「魔女トレ」と呼ばれるのであります。

毎回三時間かけて、股関節がやわらかくなるように、全身がほぐれて坐りやすくなるように、入念なワークを繰り返しています。

そしてその変化がすぐに体に表れるので、修行僧達も喜んで学んでくれています。

今回も足指や足首のワークについては、今まで習ったこともあるものですが、西園先生に直接教わると、また一層深まるものです。

弾力のあるボールを足で踏むというのを何度も繰り返します。

なかなか踏めるものではないのです。

それが足の裏を調えていって、拇指球、小指球、踵の三点で押せるようになると、しっかり踏むことが出来るようになってきます。

そうしてボールを外して立ってみると、実に拇指球、小指球、踵の三点でしっかり立つことができるようになっているのです。

なかなかこの三点をしっかり意識できるようになるのは、長い時間がかかりました。

とりわけ小指球が分かりにくいものです。

しかし、今朝も足で立っていると、しっかりと三点で立つことができるようになっています。

やはり継続して行うことの効果は大きいものであります。

『魔女トレ』の本にある、「足指で握る」というところを引用してみます。

「あぐらから片足を伸ばし、もう一方の足を曲げます。

背筋は坐骨の上にすっと伸ばします。

そして5本の手の指を足の指の間に入れます。

足指の間に手の指がするっと入るのが理想です。

指が太い人は、はじめは手の指の第2関節まで入ればOKです。

毎日取り組むうちに徐々に広がってきます。

はじめは足首を直角にします。

これは立っている時と同じ角度にするためです。

そして“足”で“手”を握ります。

手で足を握るのではないので注意してください。」

という方法です。

『魔女トレ』の本には、各所にQRコードがついていて、実際に西園先生の動画を見て学べるのでとても親切であります。

こうして「足指で手を握り10秒、ゆっくり数えます。
10秒したら握っていた足指の力を抜きます。」

ということをいたします。

あと腕の外旋、内旋を改めて深く教えてもらいました。

肩を調整するやり方もとても素晴らしいものです。

そうして股関節をはめる独特のワークをします。

最後にテニスボールを使って座骨のまわりをほぐすワークを行いました。

これは今回初めての感覚でありました。

かくして三時間かけて足指、足首、股関節を調えると、実に坐ること、立つことが楽になるものです。

修行僧の感想にも、「足元から丹田に向かう意識と、腕の内旋外旋から丹田に向かう意識で体を動かすのがとてもよかった」

「すべてのワークを終えた後,下腹に重みを感じてどっしり立つことができた」という声がありました。

みな足から変わることを実感しているようで有り難いことです。

 
横田南嶺

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