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臨済宗大本山 円覚寺

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2024.10.23
今日の言葉

深まるイス坐禅

舎利講式を終えて翌日は都内のイス坐禅の会でありました。

毎回、満席になるので有り難いものです。

ご招待の方もいらっしゃるので、五十名を超える参加者であります。

こちらは盛況なのでありがたいことです。

やはり新しい試みもしないと昔からのことだけでは難しいのかもしれません。

今回のイス坐禅では、まずはじめに大事な体の三つの部位を説明してご自身で感じてもらいました。

それは仙骨と丹田と頭頂であります。

仙骨はさするようにします。

丹田は軽く叩くようにします。

頭頂は百会というツボでもあり、軽くおさえるようにします。

頭頂を手の指で軽く上から下へとおさえながら、背骨ではおされないようにと押し上げるようにしますと腰が立ってきます。

その他にも知っておいてもらいたいのが、腰椎五番です。

こちらは仙骨のすぐ上にある骨です。

腰椎五番は斜め前に傾いています。

腰椎五番に触れてもらって、前方に傾けるようにしますと、これも腰が立ちます。

腰椎五番に触れて自分で押してもらうと、皆の姿勢が一瞬で変わったのが分かったと、ある方が言ってくれていました。

体の部位を意識することで変わるものです。

それから肺です。

肺がどこにあるか、誰しも大体は分かります。

しかし、多くの方が想像しているよりも実際の肺は大きいものです。

そこで肺の画像を見てもらいました。

鎖骨の上の方まで肺は出ています。

下の方は肋骨の下部にまで及びます。

厚みもあります。

これらを自分の手で触れてもらいながら、感じてもらいました。

これだけ大きな肺に、空気が入って膨らみ、空気が出ていってしぼむという運動を繰り返しているのです。

呼吸というのは、鼻からスースーでたり入ったりすることしか感じないかもしれませんが、肺が大きな運動を行っています。

それから腎臓の位置も手で感じてもらいました。

こちらは後で背中を緩めて、腎臓を温めるために、まず腎臓の場所を感じてもらいました。

疲れがたまると、腎臓も疲弊してしまいます。

自分の両手を腎臓に当てるだけでも、手の温かみが腎臓に伝わって休まってきます。

腎臓がここにあると意識するだけでも違ってくるものです。

そして、足の裏の拇指球、小指球、踵の三点と、それから足の裏の湧泉のツボの位置を説明しておきました。

これらは足で床を押すときに必要な場所であります。

そんな説明をしておいてからつま先立ちを皆ではじめました。

つま先でしっかり立つと自然と足の指に力が入り、背筋もまっすぐに調ってきます。

息を吸いながら踵をあげてつま先立ちになり、吐きながら、踵を下ろすというのを何回も繰り返して調えてゆきます。

いつもイス坐禅の要領は、

一、首と肩の調整

二、足の裏、足で踏む感覚

三、呼吸筋を調整

四、腰を立てる

の四つなのですが、今回は、首肩の調整と呼吸筋の調整をいっぺんにおこないました。

両手をいろんな場所で叩くという運動を私自身で工夫して作ってみました。

みずから名付けて「拍手体操」というものです。

これで肩がほぐれて、呼吸筋も調整されてゆくのです。

その次が「ときのこえ」を行いました。

エイエイと肘を下げて、オーで片手を天井に向けて伸ばします。

これで脇腹が伸びます。

呼吸を三回に分けて吐きますので、呼気が鍛えられます。

さらに片手を狐の手にして、天井に向けて更に更に高く上げようとします。

狐が天井へと向かってゆくように伸ばし伸ばしてゆきます。

そうして、もう片方の手で、脇腹をさすります。

上下に大きくさすり、それから左右にさすります。

これを終えると、肺の片方が大きくなっているように感じるものです。

両方の肺を橫に広げる運動となるのです。

そうしてイスに坐ってもらい、足首まわし、足の指まわし、手の親指で足の裏を押す、そして拳で足の裏を叩くということを行って足の裏の感覚を取り戻してもらいます。

それからテニスボールを使って、拇指球、小指球、踵でテニスボールを潰すように押す運動をしました。

そして今回更に編み出したのが、タオルを踏む運動です。

タオルの真ん中に結び目を作ります。

それを踵と土踏まずの境目あたりで押しつぶすのです。

これだと床を押す感覚が一層よく感じられるのです。

そのタオルを使って、結び目で頭頂をおさえました。

タオルの両端は両手でもって下の方へと引っ張ります。

頭頂に結び目があるので、結び目で頭頂を押すようになります。

それから首の後ろをタオルの結び目で押して、タオルの両端を引っ張る運動しました。

これで首がほぐれます。

そこでイスに坐って、体を前に倒して、膝に胸やお腹がくっつくようにして脱力をしました。

そこで背中に手を当てるのです。

だいたい腎臓の位置に手を当てて、少しこすってあげます。

腎臓をあたためて背中をゆるめます。

それから眼を緩めるワークを行って、いつものイス坐禅で腰を立てる動きを行って坐禅となりました。

一、両手首を九十度に曲げてそらす。
二、体を前傾して胸が太ももにくっつくようにする。
三、正面に壁があると思って、両手でその壁をおしてゆく。
  足に体重がかかってお尻が持ち上がりそうになるくらい。
四、両手をクロスさせて、体を約45度の角度まであげる。
五、そこから更に両手が引っ張られるように意識する。
六、斜め45度に引っ張られながら、小さく橫に8の字を書きながら、さらに十度乃至十五度体を起す。
七、腰椎はその角度を保ったまま、両手を真上にあげ、上体だけ起す。
八、両手を大きく外側に円を描いて下ろす。

というものです。

こうして坐りますと、実によく調って坐れました。

そのあと、白隠禅師の夜船閑話から内観の法と軟酥の法の説明をして、後半の坐禅では実際に皆で内観の法と軟酥の法を実践しました。

とてもよく坐ることができました。

もう疲れも抜け落ちた感覚でありました。

いつもご参加くださるホトカミの吉田亮さんがすぐに感想をnoteで公開してくれていました。

「イス坐禅で健康な暮らしへ」というタイトルです。

「今回の学びは、「肺は意外と大きい。鎖骨から肋骨の下まで、肺が広がっていること」です。

足の指からふくらはぎ、膝、太もも、お尻、腰、そして丹田がつながり、その上に大きな肺が乗っかっているような感覚を初めて体験しました。」
と書いてくださっていました。

まさしく私が目指していたことを体感してくださっているのでうれしくなりました。

それから何人かの方からは、夜ぐっすり眠れるようになったという報告もいただいています。

これもイス坐禅の功徳です。

夜ぐっすり眠れるというのは、健康のおおもとです。

それから疲れなくなったというお声もいただいています。

体が調うと疲れも減るものです。

かくしてイス坐禅は益々深まりゆく感じなのであります。

 
横田南嶺

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